Little Magic〜はじまりの物語〜
□設定資料A『Repeat』シェル・ファック・ア・マラタ編
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設定資料 Repeat(リピート)
A シェル・ファック・ア・マラタ 編
『ごめんね』
そうシェルに言い残し、母は弟と共に帰国した。
幼いシェルには分からなかったが、母は慣れない外国生活で情緒不安定になっていた。
シェルはただ、母と弟が去っていくのをそのまま見ているだけだった。
あれから、連絡を一切取っていない。
シェルは不在がちの父と暮らしていたが、あまり話すことがなく、無口に育っていった。
また、容姿が整っていたため絡まれることも多く、対処していくうちにケンカが強くなり、近隣の不良から一目おかれる存在となった。
『助けて!!』
その声は、シェルがたまたま通りかかった道の奥から聞こえてきた。
何気なくそちらに目をやると、黒髪の女が男たちに襲われていた。
黒髪の女
去って行った母の姿が思い出され、気がつくとシェルの周りには男たちが倒れていた。
そのまま立ち去ろうとしたシェルに女がお礼を言ってくる。
母の事が思い出され、正気を失ったのが気まずく、シェルは女を無視した。
その後、女が付きまとってきたが、黒い髪が母と弟を思い出し、邪険に出来ずにいた。
だんだんと女が傍にいることに慣れ、女との会話が増え、シェルは女を愛おしく思うようになっていった。
谷坂 貝菜(たにさか かいな)という名の女は、母と同じ黒い長い髪が印象的な女性だった。
彼女の夢はパイロットで、航空学校を目指していた。
航空学校の入学試験は難しく、シェルも貝菜と一緒に勉学に励み、無事に入学した。
そこで、シェルは弟と再会する。
しかし、弟はシェルの事を覚えていなかった。
落ち込み、弟との接し方に悩むシェルを貝菜が支える。
シェルは貝菜をより愛おしく思い、抱きしめた。