妄想の塊:短編

□サディスティック女医
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「えっろ!!」


ついに見てしまった、にゃんにゃんのCM。メンバーの一部で話題になってたけど、あたしはまだ観た事がなくて、まりこ様には『みなみは鼻血注意』とだけアドバイスを頂いた。
時間が限られてる中、意識して楽屋のテレビやワンセグやらでCMが流れるのを待つ事数日。持ち前の星回りの悪さか全くかすりもしなかったわけで…。
あ、みぃちゃんのは観れた。可愛かったなぁ、原形留めてねーけど。
もう辛抱できんくなって動画サイトで拝ませてもらったわけですよ。ありがとうファンの人。10回リピートしたからね。
そんでノックアウトな現在に至ります。


「はー、注射されてーわー」


PCを閉じて一人ベッドに仰向けになる。眼は見馴れた天井を凝視してても、脳が見せてくるのはサディスティック女医の蔑みを込めたあの眼。メイクで作られてるとはいえあんな表情できるんだなーと感心しつつも、半分はなんだかもやもやして心地が悪い。あとの半分はドキドキして心臓に悪かった。
明日は久しぶりのコントの収録があって、ちょっと期待したけど台本見たらにゃんにゃんもいなければ、女医のシナリオもなかった。残念だけど妙な恥ずかしさで若干顔も合わせ辛いし良かったのかな。
さっさと寝て明日に備えねばと布団にもぐりこんで瞼を閉じる。興奮覚めやらぬ頭をクールダウンさせるべく、同じCMでもゲームの方のにゃんにゃんを記憶から引き出して女医を追いやった。クリア特典で彼女を操作できたら面白いのにな。いや、敵眠らす前に自分が寝ちゃうか。なんてにやにやしながら想像してるうちに瞼が重く…なって…。



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