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□婚約者は執事のあとで
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「麗子、明日は休みのはずだね?」
「はい、お父様」
「突然で悪いが、明日ここのホテルのラウンジに11時に行ってくれ。
詳しい手配は影山に任せてある。」
「分かりました。何があるんですか?」
「麗子は昔から察しが悪い子だったな…。
もちろんお見合いにきまってるじゃないか。
気に入らなかったら断ればいい。
しかし、一応大企業のご子息だからつっ返す訳にはいかなかったんだよ。」
少し呆れた口調で麗子の父、宝生グループの社長は言った。
相手は宝生より格下ではあるが、やはり付き合いというものもある。
簡単に断るわけにはいかないのだ。
「そんな急に…。」
「じゃあ頼んだぞ。」
多忙を極める宝生社長はそう言って部屋から去って行った。