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□種明かしはクリスマスのあとで
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手の平にちょこんと置かれた小さな包みを開けると、
その中には小さな箱、そしてその中には…。

Rの字をかたどったプラチナのモチーフに、
小さなダイヤが嵌めこまれた
シンプルなネックレスだった。

「お嬢様のお名前のイニシャル、
そして極力シンプルなものを選ばせて頂きました。
お気に召して頂けたならば、
この影山、嬉しゅうございます。」
「かっ…影山にしては、良い趣味ね。
こっ…これから使わせて貰うわね。」
「ありがたき幸せ、でございます。
それではお嬢様、浴室へ参りましょう。
せっかくのお湯が冷めてしまう故。」



湯舟にはアロマキャンドルが浮かぶクリスマス仕様。
出来る執事、影山の仕業である。
「彼氏と一緒に入ったらロマンチックよねー。」
そう、無意識に呟いた麗子の耳元で
麗子の背中のファスナーを降ろしつつ、
「私では役不足でしょうか?」
と影山が囁いた。

「なっなっ…何よいきなり!」
「もちろん冗談でございます。
それでは私はこれで。」



ロマンチックだかロマンチックじゃないんだか、
麗子のクリスマスの夜は更けていった。
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