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□吸血鬼パロ!
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*京介と、てんまの吸血鬼探し編の続き!





「剣城!あれ見て!」
あれから、一時間ぐらい歩いた所に"それ"はあった。
「…洋館?」
そこにあったのは、いかにもなオーラがただよう、洋館であった。
「さあ!剣城!入ろう!」
「えっ!!あっちょ…」
ぐいっと腕を引っ張られる。
だけど、俺はそこに入りたいような入りたくないような…そんな気がした。
ただ、何だか入ってはいけない…と言う雰囲気がただよってる気がした。
それに、周りは何だか。
生ゴミのような香り…
何かが、腐敗したような香り。
まさか…
ここに、吸血鬼が住んでいるのか?
「剣城!何ボッートしてんの?」
いつの間にか、扉の前まで来ていた。
「ああ…ごめん」
「しょーがないなぁ……じゃ、開けるよ?」
「うん」
その、重そうな扉はギイッと言う古臭い音を立てて開いた。
「うわっ…くっさ…」
松風が、そう呟いた。
たしかに、中は外の腐敗の臭いとさらに、ほこりと鉄の臭い。
「松風…あまり、音を立てるな」
「あーい…」
もしかしたら、ここで吸血鬼に殺されるかもしれないと。そう思わなくてはならない。


ゆっくり、ゆっくりと俺達は進んで行く。
すると、「厨房」と書いてある扉があった。
扉に、耳をつけると、中から包丁を打つようなトン…トン…と聞こえる。その内に、激しくトントントンと言う音に変わっていく。
「剣城〜怖いよぉ…人間切ってるのかな…」
「んなわけ無いだろ…」
すると、厨房のドアがキイッと開く。
サッと開いた扉に身を隠す。
扉が開いた時に、ステーキのような、ハンバーグのような臭いがした気がした。
中から出てきたのは、ずいぶん身が大きく赤い瞳で髪の毛がもじゃっとうねっている。
どうやら、あの男が料理をしていたようで黒いエプロンをしていて、そこには名前だろうか…"司"と書いてあった。
とりあえず、その男にひっそりとついて行く。
すると、だんだんと光が見えてくる。パアッと言う明かりではなくどんよりとした、薄暗い感じだが。
その部屋の中から、
「いただきマッスル…」
と言う、少し高めの声が聞こえる。それを聞いて松風はくすっと笑った。
食事をしているのだろう。
カチャカチャと言う音が聞こえる。
「うわ〜!兵頭さんのハンバーグうめぇ!」
…この人達、人間なんじゃないだろうか。
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