メイン

□ホントかな
2ページ/4ページ


よくテレビとかで見る。
人の目をみれば、本当か嘘かわかると言うモノ。
ああ、こんなモノでわかる物か
そう思いつつも俺は倉間先輩の目を見ている。
いつも
でもね先輩の目は揺らぐ事は無かった。
俺が、
「愛してます」
と言うと先輩は黒いそれでも真珠の様に綺麗な瞳を俺に真っ直ぐ向けて「俺も。」と言う。
ホントかな。ねぇ
わからないんだよ
貴方が何を思ってるのか
不安なんだよ。
わかってよ先輩。





「先輩って何考えてるのかわからない」
ついに言ってしまった
ああ、言わなければ良かったと思う頃には手遅れで。
初めて、先輩の顔に悲しみの表情が出たのを見た。
「知ってるよ。自分が1番」
そんな、そんな顔はさせたく無いんだ。やっぱりわかってないんだ
俺の頭の中は自分に都合のいいように出来てる。
やだなこんなのは
「わかってるから…ごめん」
少し間を置いて、そう呟いた
俺達の愛情はここで終わるのかな
悪いのは俺なのに。
「先輩、別れますか」
なんで勝手にしゃべる
動くな口
出るな声
でもやっぱりね、手遅れで。
「うん……ばいばい…な
楽しかったよ…」
楽しかったと言いながらもとても悲しそうで、そんな顔のまま先輩は走り去ってしまった。
今の俺には追いかける勇気何てモノこれっぽっちも無かった。
言葉何かじゃ伝わらない。
出るのは綺麗ごとばかりじゃないか。自分は馬鹿だ馬鹿馬鹿。
先輩を幸せにすると決めたのに。
駄目だよこんな俺じゃ
未熟だよ。偽りだらけで問題だらけで。いつも偽物の笑顔振りまいて。
こんなんじゃ、こんなんじゃ
自分に革命なんて出来ないや

ポタリと涙が零れた。




次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ