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□知ってるから、やめてよ
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俺、狩屋マサキは霧野先輩が好きなのだ。
でもその霧野先輩は神童先輩が好きなんだ。
そんなもどかしい、難しい、面倒な関係。
霧野先輩が神童先輩を見る瞳は明らかに「好きだ」と言っている。
ああその視線を俺だけの物に出来れば、どれだけ俺は幸福だろうか嬉しいだろうかー。
俺があの人に"好き"の一言が言えれば……。振られるのはわかってるけど、けれども少しの希望が俺を調子に乗らせるから。
駄目だこんな"癖"。
霧野先輩にちょっかいを出して、霧野先輩が止めろとか言うと俺は可笑しな事に、調子に乗るんだ。
それに俺は、神童先輩が嫌いだ。
こんなの嫉妬で焼きもちでただの逆恨みなんだ。
わかってる。わかってるから止めたいけどでもやっぱり調子に乗る悪い癖が出るんだ。
全部人のせいにして自分は楽をするんだ。全部悪い癖だ。
こんな事自分の部屋で、頭の中で考えても、考えても意味が無いのは知ってるんだ。
この際、誰かに誰かに「知ってるなら、止めろよ」と言って貰いたい。霧野先輩にふさわしくなりたいんだから…。
悪い所何かを全部改善して霧野先輩の視線を俺の物にしたかった。
好きだよとてつもなく。
そうだそれなら神童先輩に、さ。

悪知恵が働くとはこの事か。




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