round way ブック

□この恋の終着点
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嬉しかったけど、
悲しかった

辛かったけど、
幸せだった


頭で思ってることと
心が感じたことは正反対で

もう、パンクしちゃいそうだよ


ねえ、私は
どうすればいいの?











【この恋の終着点】











扉を開け家の中に入ると私はすぐさま鍵を閉めた。

そして扉を背にその場にズルズルと座り込む。


ドクン、ドクンとまだ心臓がうるさい。



「(…なに、それっ…)」


何でレッドは私に優しくしたの?

何でレッドは私を抱きしめたの?

何で…あんな悲しそうな顔してたの?


疑問はつきることなく湧いてくる。



それに伴ってどんどん自分が嫌になってくる。

だって諦めるって決めたのに、さっきの出来事でほんの少し期待している自分がいる。

心のどこかで嬉しい、って思っている自分がいる。


何度も期待して痛い目みてきたのに、ほんと、懲りないな―……


自分の弱さに涙がでそうになって、でも今泣くのはすごく悔しい気がして。

必死にこらえた。




「(これから、どうしよう…。)」


戻ってレッドに会って事実を聞こうか?

でも、さっきも逃げてきたくせにもう一度彼に向き合う勇気なんて私にはない。


ゴールドに相談しようか?

でも、あんな事があったばかりで頼りたくないし迷惑はかけたくない。


イエローに話そうか?

…話したら、イエローはどう思うんだろう?

きっと深く傷ついてしまう。

2人の仲も悪くなるかもしれない。


イエローには、絶対に話せない…。




「どうしよ……」


選択肢が、ない。

自分で答えをだせというの?


むずかしすぎるよ、こんなの


(私には解けそうにない)




その時…、
無機質なインターホンの音が家に響いた。

一瞬びくりと反応してすぐに膝をかかえて顔をうずめた。

誰だかは知らないけど、今こんな状態で人と話すことなんてできない…。

今の私はきっと情けない顔、してるから。



でも、物音をたてないように息をひそめていたら扉の向こうからか細い声がした。



「イミテ、さぁん……!」

「へ…、」


それは明らかに聞き覚えのある人の涙声で、私は気づけば扉を開けていた。


案の定、そこには両目いっぱいに涙をためたイエローが立っていて…。


「イエロー……?」


名前を呼んだ私に、彼女はすがるようにしてしがみつく。


「イミテさん……、僕…どうすれば…。」


悲しみしか伺えない彼女の瞳。


明らかにただ事じゃないから、とりあえず家の中へ入れることにした。



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