わーきんぐ!相馬編

□18品目
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「あ、虫」
「「えっ!?」」


全ては一匹の虫から始まった。
















「虫!?どっ何処!?」

「虫…って、飛びます!?飛ぶ虫ですよね!?やめて下さい何処ですか!?」

「お前ら、虫ぐらいで騒ぎすぎだ」

「佐藤君、轟さんも里香ちゃんも女の子なんだから」

「神里は置いといて、轟も怖いのか?」

「あ、当たり前よ!相馬くんの言う通り、普通、女の子は虫が苦手なの!」

「アホ、虫なんかよりお前のがよっぽど怖ぇよ…」

「さ、佐藤くん?どうしてあさっての方向を向くの…?」

「それで相馬くんっ、一体何処に虫が!?」

「ん?あそこに、――ってあれ、いなくなっちゃったね」


「「ええ!?」」


「どっか行ったな。―ま、そのうちどっかからひょこっと」

「さっ佐藤くん!ちゃんと退治しなきゃダメよっ!」

「そうですよ相馬くん!あの虫が住みついて大量に卵産んで増殖したらどうするんですか!」

「増殖って…」


「「…………」」


「…おい、神里。自分で言って怖がってどうすんだ」

「相馬くん〜……」「佐藤くん〜……」


「「………」」


「仕方ないなぁ、見かけたら処理しておくよ」

「!流石相馬くん!頼りになります!」

「……相馬…」

「さとーくん……」

「…ほっとけ。増殖なんてするか」

「そんな!?酷いわ佐藤くん!」

「……酷くねーよ。相馬が神里に甘いだけだ」

「……(もしや…これはチャンス!?)」

「相馬くん、どうしてそんな良いこと思いついたみたいな顔してるんですか?」

「何でもないよ里香ちゃん!」

「相馬が処理してくれるっつったろ」

「そうだけど、でも、現れたところに相馬くんがいるとは限らないし…」

「そうだよっ佐藤くん。虫を潰すくらいしてあげなよ」

「……ああもう、解った、解ったからこっち見んな」

「佐藤くん…!ありがとう!」

「はいはい、どーも」



「ねぇ里香ちゃん。突然だけど、俺も里香ちゃんも佐藤君も轟さんも同い年だよね」

「?はい、そうですね」

「そこで一つ、提案があるんだけど」

「提案?」

「そう!―つまり、同世代同士もっと仲良くしようってことで、名前呼びとか呼び捨てとかにしない?」

「ええっ!?―で、でも私、相馬くんに前、名前っ、」

「落ち着いて里香ちゃん。うん、俺も覚えてるよ。前はほら、俺だけだったから失敗しちゃったんじゃない?
今度はみんなで名前呼びしようよ。それなら恥ずかしさ半減するでしょ?」

「そ、そうですかね…?よ、呼べるかな…」

「少しずつ慣れていけばいいよ!―ってことで佐藤君に轟さん、名前を」

「相馬」

「ッ―痛ぁっ!?痛いよ佐藤君!?俺まだ何も言ってないよ!?」

「お前がそういう顔してる時は、たいていロクなことにならん」

「酷いよ佐藤君!決めつけるなんて!」


「―はぁ、でも、佐藤くんも相馬くんもさっきの小っちゃい虫を
退治してくれるって言ってくれて、心強いわ。ね、里香ちゃん」

「―あ、そうですね、八千代ちゃん。
いくら小っちゃい虫でも飛んだらアウトです。飛んだらアウトです!」

「2回言ったわ!?」

「それだけ重要なんですよ!」




「――――小っちゃい?」




「「へ?」」


「小っちゃい虫が……何ですか?」

「あ、た、小鳥遊くん……」

「佐藤さん。小っちゃい虫をどうする気なんですか?」

「…ん?ああ、小鳥遊。どうって…退治しろと」

「あっ、佐藤君!それダメ――」


「―小っちゃい虫を退治…だと…!?」

「たたたか小鳥遊くん落ち着いて下さ――」





「小っちゃいものを――馬鹿にするなぁぁッ!」










その後、小鳥遊くんに正座させられ、お説教を受けたとさ。


―主に、佐藤さんと相馬さんが。










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