わーきんぐ！相馬編
□１４品目
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「里香ちゃーん」
「あ、おはようです相馬くん」
「おはよう。いやー、来て早々何なんだけど、今日はお客さん少なくて暇だよ〜」
「そうなんですか？…そういえば、車も少なかったような」
「全然注文入らないからさ、俺今休憩中なんだ」
「―って、佐藤さん凄い忙しそうに見えるんですが…」
「え？だって、佐藤君が全部作ってくれるみたいだから。その分俺暇なんだ」
「…脅したんですか？」
「やだな、脅してなんかないよ！
よく解らないけど、佐藤君がぱっぱと受けてたから、いっかなーって」
「いやいや、そこは手伝ってあげましょうよ」
「それ以上に里香ちゃんの入りの時間だったから」
「お仕事なさいお仕事！」
「里香ちゃんに怒られるのも何か新鮮で良いね！佐藤君と違って痛くないし」
「む。……ったぁって重っ!!…あああ」
「ちょっ、佐藤君に中華鍋で対抗しないで！それで殴られるとたんこぶ程度じゃすまないと思う！
ていうか持てないんだから危ないよ！」
「うあっ、何か腰にきた…」
「…里香ちゃん、力無さすぎ…。ほら、貸して」
「うー…」
「大丈夫？腰痛い？おんぶしてあげようか？」
「いっいえ、大丈夫です！それより佐藤さんを手伝いましょう」
「…あ、ちょっと待って里香ちゃん」
「はい？何ですか？」
「里香ちゃん、俺、反省して、決めたんだ」
「え？」
「俺、――これからはもっともっと里香ちゃんにイチャつくよ！」
「何の宣言!?」
「自重もしないしいつでもＩ ｌｏｖｅ 里香ちゃん全開でいくよ！
何ていうか、里香ちゃんが引くぐらい！」
「ちょっ、あの、８６％くらい意味が解らないんですけど!?」
「残りの１４％で考えて、２０％で俺の愛を受け止めて！」
「キャパオーバーですいろんな意味で！てか計算早いですね！」
「……お前ら」
「―わぁぁ!?さっ佐藤さん!?あ、あれ、どうしてここに」
「漫才してねぇでさっさと働け。俺の仕事が増えてんだよ…！」
「すみません…！佐藤さんを手伝うつもりが何故かこんなことに…」
「謝ることないよ里香ちゃん。引き止めたのは俺だし」
「いえ、そんな…」
「…あ、でも俺は里香ちゃんを可愛がる宣言の為に引き止めたんだから、里香ちゃんの可愛さが原因なのかもね。罪作りー☆」
「えええ!?何ですかその惚気混じりの答え！」
「相馬が酷くアレな感じでイタく欝陶しいキャラになったんだが何があった」
「うわぁ佐藤君超酷い！っていうか、佐藤君が言えって言ったんじゃない」
「俺はこんなに欝陶しくなれとは言ってねぇぞ」
「里香ちゃんの可愛さをもっと伝えろって――あ痛っ」
「―ふぇっ…!?え、何で…さ、佐藤さんは八千代ちゃんが――痛っ」
「誤解を招く言い方するな！あと、口を滑らすな神里…！」
「ごっ御免なさいっ」
「ったく…。俺はただ、相馬はもう少し自分の気持ち伝えろっつっただけだ」
「そうそう、そんな感じ！」
「そうでしたか…(やっぱり佐藤さん、いろんなこと考えてくれてるんだなぁ)」
「―で、解ったらとっとと仕事戻れ」
「「はーいっ」」
「っわぁ、里香ちゃんとハモっちゃった！
――御免佐藤君、やっぱりもう少し自重するからフライパン掲げないで…！」
「…………」
「フライパン下げるついでに私の髪をぐしゃぐしゃにするの止めて下さい!?」
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