わーきんぐ!相馬編

□15品目
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新しいバイトの子は、てっきり男の子だと思っていた。

店長はそいつと言っていたし、轟さんではなく俺を指定していたことで無意識に男だと思っていたのだ。
…今思えば、俺だったのはキッチン担当だからだろうけど。佐藤君は怖そうだし。

しかし、そこにいたのは女の子。それにまず驚いた。

そのあと、髪とその色に目を奪われた。
それから彼女の顔を、真っ直ぐに見た。

初めて正面から俺に向けられる瞳に、視線に、不思議な感覚に襲われる。


気付けば、彼女の方も俺に驚いているようだった。

「あ……」
「えっと……」

お互いよく解らず、あのとかそのとかをごちゃごちゃ言った後、

「…えっと、同じ――大学を志望してる…方ですよね。時々見かける…」
「…ああ、うん。そうだよ」

やっと俺は冷静になり、普通に会話することが出来た。


別に、彼女と話してみたいと強く願っていた訳じゃなかった。

ただ観察するだけで楽しかったし、いつか話せたら良いなとは思ったもののその程度だった。
話したかったのならきっかけは何時でもあったが、そうはしなかったのだ。

だけど今、彼女と会話している。


いつも違う何処かへと向いていた視線は、俺だけを捉えていた。

その事実が、少しだけ嬉しく思えた。

「でも、こうしてちゃんと喋るのは初めてだね」
「そうですね。えっと、改めまして、神里里香です」
「相馬博臣です。これから俺が神里さんにいろいろ教えることになったから、よろしくね」

軽く笑って挨拶する。

彼女――神里さんは立ち上がると、


「はい、よろしくです、相馬さん」


綺麗な笑顔で、にこっと笑い返した。


















一応本編はここまでです。
次ページは相馬さんとか夢主が作者(私)の話をするので、
イメージ優先・作者出んな等の方は回れ右することをオススメします。
何ていうかまぁあとがきです。

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