わーきんぐ!佐藤編
□2品目
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着替え終わった志麻に、初めに声をかけたのは相馬だった。
「志麻さん、初めまして。俺は相馬博臣っていいます、よろしくね。
それで、こっちの背の高い人が佐藤潤君。無愛想だけど、ただ無表情なだけで本当は優しい人だから気にしないでね」
「…相馬。余計なこと言うな」
「ゴメンゴメン。
それで、俺ら二人共キッチン担当だから、何かあったら遠慮なく聞いていいからね」
相馬の丁寧な紹介にも、大した反応も見せず一つ頷くのみ。
それでも相馬は全く気にすることなく、何かを知っているような笑みで頷き返した。
「……佐藤だ。よろしくな」
ややあって、一応自分でも名乗るか、と声を上げる。
するとまた志麻はコクリと頷くだけで、返事はしなかった。
――………何かあるのか?
ここまで無愛想なのは珍しいもので、思わず『余計な詮索』をしたくなる。
――…ま、後で相馬に聞いてみっか。
とりあえずはそこで思考を閉じ、業務的な仕事内容を淡々と説明していった。
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