わーきんぐ!佐藤編
□3品目
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「相馬。あいつ、何であんな無愛想なんだ」
一通り仕事を説明し終えると、時間だといって店長に連れられて志麻は早々に帰宅した。
そのタイミングを見計らい、無駄に何でも知っている相馬に問いかける。
相馬は『んー』といつもの困ったような笑みを浮かべた。
「でも、注意して見てると、案外無愛想でもないんだよ?
…まぁ、詳しいことは俺もあんまり解らないんだけどね。何か原因があるのか、それとも元々の性格なのか…。
どちらにせよ、志麻さんは別に怒ってたり、ふてくされてる訳じゃなくてさ」
寧ろ逆なんだけど、あんまりそれが外に出ないんだって。
佐藤君みたいだよね、という相馬の台詞は無視しつつ、ハンバーグを焼く手を一旦止め考える。
――感情が表に出ないだけで、本当はいろいろ感じている、ただの無口な女…?
なんだか釈然としない思いをしながらも、まぁ良いかと結局は気にしない方向で片付けた。
――飲み込みは早そうだったし、仕事は問題ないだろ。
そんな感じで、初日はあっさりと過ぎていった。
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