わーきんぐ!佐藤編
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「種島ほどじゃないにしろ、シマリスも小さいよな」
「え、……そう、ですか?」
「背、何センチだ?」
「1…5、4……です」
「小っせ」
「……種島さんは、いくつ…ですか?」
「本人に聞いても半泣きで首振るだけだ。相馬なら知ってるんじゃね?」
「…………(じっ」
「……いや、自分で聞けよ。男に慣れなきゃなんねーんだろ、お前は」
「……まだ、早いかな、と」
「それだけ俺と喋れるなら十分だっつの…」
「……佐藤さん…(じっ」
「…………。……おい、相馬」
「なぁに佐藤君っ!?」
「…何でそんな嬉しそうなんだよ」
「いや、何でもないよっ?頼まれたらやっぱり断れないだなんて
佐藤君優しいなぁとか思ってないよっ?」
「盗み聞きするな…!」
「いたた痛い佐藤君超痛い!御免って!―ふう、ええとそれで何だっけ」
「ほらシマリス。訓練だ」
「う、……えっと。……種島さんの、身長って…、解りますか…?」
「ああ、そうそう、身長ね。うん、勿論解るよ。解るんだけど……」
『よーし!今日は破損報告書に届くかな?
―ん゛〜〜っ…!ん゛〜〜〜〜っ…!――っぁ、はぁ、はぁ……。
やっぱり…届かないよぉ……、はぁ、はぁ…』
「……良心がさ。痛むんだよね」
「だとよ、志麻」
「………諦めます」
「はは、御免ね。―ああでも、正確な数字は解らないけど、破損報告書の隣の出入り口の柱…、
そう、あの柱。あそこに種島さん、毎日線引いて伸びたか確かめてるから、
それ見れば参考にはなると思うよ」
「あっ本当だ、傷がある…」
「―?今の志麻が言ったのか?」
「えっ、………?」
「今、志麻さん普通に喋ったね!独り言だからかな」
「…………(こく」
「んーじゃあ、やっぱり人見知りなだけなんだね。
よかったね佐藤君、改善の余地があるみたいだよ!」
「そうだな。そんくらい俺らとか他の奴と喋れるようになれよ」
「……は、はい…(こくこく」
「…………」
「…佐藤君、今、『可愛いなこいつ』って思わなかった?(こそっ」
「バッ…思ってねぇよ…!」
「思ってないにしては力強くない!?頭割れそうなんだけど佐藤君!」
「………?」
「シマリス。後でどんぐりやるからあっち行って種島と話してろ。
見苦しい光景を見せることになるからな」
「………どんぐり要らないです」
「ていうか佐藤君!俺は今から一体何をされるの!?
志麻さんには見せられない程のことって何!?」
「安心しろ相馬。骨は拾ってやる」
「何で肉体が無くなってるの俺!
焼くの!?佐藤君俺を焼くつもりなの!?」
「さぁな。冥福を祈る」
「殺す側の人に祈られても困るよ!ていうか祈るくらいなら殺さないでよ!」
「………。……(くすっ」
「…………っ」
「わぁ…、志麻さん、笑うと可愛いね!―あ痛っ!」
「へっ…!?」
「相馬は余計な事言うなっ。………」
「……?……佐藤さん、顔色が…」
「いいから志麻はあっちで種島と話してろ…っ」
「…??」
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