誰にも言えない恋だった…
□第3章 タイムカプセル
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翌日―。
梓やJはクラスの学活で先生の言われた通り、タイムカプセルに使うものを持ってきていた。
「Jは何を持ってきたの?」
「僕?秘密。」
「ケチ!でも流石にマシンじゃないでしょ?」
「当然だよ。梓ちゃんは?」
「Jが教えてくれなかったから秘密!」
「そっか…。」
Jはちょっと残念な気持ちにはなったが、それはタイプカプセルを開ける時までのお楽しみということにしようと思った。
「じゃあ今日の学活の時間を始めるわよ。」
「はーい。」
「先生、今日はタイムカプセルをやるんですよね?」
「そうよ。みんな、昨日言ったものは持ってきたわね。」
担任の先生は『まずは手紙を書いてね。』と続けるとみんな作業に取り掛かった。
教室内が少しざわざわしているのが気はなるが、みんな思い思いに20歳になった自分に手紙を書いている。
―20歳になった自分へ
20歳になった自分は何をしていますか?
もし働いていたら、鉄道会社で働いていたらいいなって思っています。
鉄道会社に興味をもったきっかけは近所にある駅の駅員さんがきっかけです。
今の自分はJがきっかけでミニ四駆が好きです!
12歳の自分より―
梓は20歳の自分に今の自分の想いを書いて封をした。今から8年後が楽しみだ。
クラスのみんなも書き終わり、学校内でタイムカプセルを埋める場所を話し合う。
「体育館の裏のところにしよう!」
「でもなんで?」
「先輩たちのクラスでそこに埋めて目印を目立つようにしてるのがあるから!」
「そういえば掃除の時にそれを見たことある。」
クラスのリーダーが『そこにして目立つ目印を設置しよう。』と言うと、しっかりとパッキングしたタイムカプセルを埋めた。
8年後の2007年4月1日。
その日のお昼の12時に体育館裏に集合。
タイムカプセルを掘りだそう。
授業終了時間を知らせるチャイムが鳴る。
その日に全員そろっての再会を願ってタイムカプセルの作業を終えた。
8年後の4月に再会の約束をして…。