誰にも言えない恋だった…
□第4章 想ひ人〜君に逢いたい〜
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大学に入学して1年が経った。
Jは現役で合格した大学の工学部で勉学に励んでいた。
(今日の実験、考えてた結果になってよかったな…。)
入学してすぐにできた友人と一緒の授業を終えて昼休みとなった。
その昼休みでは先ほどの実験について友人と話をしようと思っていた。
「…あの!これ、落としましたよ。」
「えっ?あ、ありがとうございます…。って、香名ちゃん?」
「うそ…。もしかして、J君なの?」
落とし物を拾ってくれた優しい人の顔を見た瞬間、お互いが驚いたのだ。
それもそのはず。小中学校時代の同級生だったからだ。
「香名、このイケメンさん、知り合いなの?」
「知り合いも何も、小中学校時代の同級生だよ。」
「この子は大学でできた友達。J君の周りにいるのって友達だよね?」
「うん。そうだよ。」
Jはそういうと香名とともにお互いの友人を紹介した。
香名は友人がいる手前、梓の話をするのをやめた。
「ここにいるってことは、香名ちゃんも西洋大なんだよね?」
「うん。経営学部だよ。私の家、飲食店だったでしょ?いずれ家の商売を継ごうと思ってね。」
「そっか。僕は工学部なんだ。土屋博士のすすめで工学部にしたんだ。」
「J君らしいね。あっ!そうだ!これ、私の携帯の連絡先。」
香名はJに自分の連絡先を書いた紙を渡した。電話やメールなら梓の話ができると見越してだ。それはJもすぐに理解してくれた。
Jもすぐに『僕もこれ…。』というと連絡先を書いた紙を香名に渡してきた。
「近況とか梓のこととか聴きたいから…。」
「そっか。時間のある時に連絡するね。」
お互い友人と一緒だったため、連絡先を書いた紙を渡して解散となった。