淡い君との時間

□第1章 電車通学
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村田夏香。
今日は都内にある私立中学の入学式がある。
この春、彼女は中学受験をして晴れて第一希望の学校へと入学することとなったのだ。

 (第一希望の学校に合格できてよかった。)

夏香は合格した中学校まで電車通学することにした。
今日から一人で学校に通うことになるので、少し緊張していた。

乗る予定の電車が到着し、乗り込んだのはいいものの、尋常じゃない込み具合に夏香はげんなりしていた。

 (これから毎日、こんな通勤電車に乗るのか…。)

それでも夏香は『自分が中学受験したいとお願いしたから…。』と覚悟を決めた。
学校の最寄り駅につくと夏香と同様に真新しい制服に身を包んだ生徒たちが改札口へと向かっている。

 (入試の時に見かけた子もいる…。合格してたんだ。)

夏香は学校に到着すると中学校の先生達の案内で自分のクラスへと向かった。
校舎の中に新入生が迷わないように案内の紙が貼ってあったので、自分のクラスまで道に迷わず行くことができた。

 「君さ、入試の日に前に座ってた子だよね?」
 「え?あぁ!後ろに座ってた可愛い子!」
 「やだ、うまいこと言っちゃって。私は橘美咲。よろしくね。」
 「私は村田夏香。こちらこそ、よろしくね。」

時間になるとクラスの担任が教室へと入ってきた。
自己紹介とともに今日の予定を説明し、入学式の会場となる体育館へと向かった。
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