淡い君との時間
□第3章 文化祭
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夏香は2年生に進級した。
美咲とはクラスが離れてしまったが、休み時間などに顔を合わせて話をする機会を作っている。
中学生活も2回目の夏休み中のこと。
部活のお昼休憩中、二人はお昼を食べながら世間話をしていた。
「夏香、今年は青学の文化祭に行ってみない?」
「青学の文化祭?」
「うん。今年になって知ったんだけど、青学の文化祭って、中高合同でやるらしいよ。」
「へぇ。そうなんだ。」
美咲は最近、青学に気になる人がいるらしい。
夏香にやたら不二経由で青学の話を聴いてきてほしいと頼まれることが増えていたのを感じていた。
「美咲さ、もしかして青学の文化祭に行きたいの?」
「…あはは。バレた?」
「バレバレだよ。」
「でも、青学の人で気になってるのは不二君じゃないよ。」
「…そっか。」
夏香は”もし不二君に逢うことがあったら、文化祭の日時を聴いておく”と約束をして部活の昼休憩を終えた。
(不二君、嫌な顔しなければいいな…。)
ぼんやりそんなことを思っていた。
それと当時に夏香は美咲に不二を取られたくないと少し思ってしまった。