淡い君との時間

□第5章 特別な時間が好きだった
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3学期が始まると中学受験の日になっている日にちは、夏香達在校生は休みとなっていた。
当然、部活動もできない。
夏香は美咲と一緒に高校入試に向けて勉強と面接対策をすることにしていた。

 「夏香、おはよう。」
 「美咲!じゃあ、地元の図書館に行こうか。」
 「うん。急ごう、夏香。」

二人が受験予定の内部進学の試験は面接と3教科の筆記試験だ。
高校入学組との学力レベルの比較のために筆記試験を受けることになっているらしい。

 「面接ってさ、どうにかならないかな。」
 「本当だよね。内部進学なんだし、別にいいじゃん!って思うよ。」
 「そういえば夏香ってさ、文武両道を地で行くよね。」
 「そんなことないって。」
 「だってさ、いつも定期試験では学年の上位に入ってるじゃん。」
 「偶然だよ。中学受験の時、ギリギリでの合格だったんだよ。」

今更ながら美咲は驚いていた。
まさか夏香本人が中学受験の時にギリギリ合格だったことに。

 「まぁ、今は目の前に迫った内部進学の試験対策を頑張ろう。」
 「そうだね。」

二人は夏香の地元の図書館につくと試験勉強を始めた。
お互い苦手としている部分を中心に勉強を進めていくことにした。
この時、少し遠くからある人が二人に視線を送っていたのは全く気付かずにいた。
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