君に映る景色

□第3章 文化祭
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9月1日になり2学期が始まった。
部活動のない生活と共に受験生という意識を強く持たなくてはいけない時季となっていた。
中学生活最後となる行事もたくさんあり、夏香は受験勉強の息抜きとして取り組もうと思っていた。

 「夏香!久し振り!」
 「美咲、おはよう!なんか久し振りだね。」
 「部活引退したから、学校に来るのも久し振りだよ!」

チャイムと共に担任が朝の会を始めた。
夏休み中のことだけでなく2学期の大まかな予定についての話があった。

 「来月には文化祭をやるから、やりたいことがあったら少し考えておけよ。」
 「はーい。」

夏休みが明けたばかりの教室は生徒のテンションはかなり低い。
そんな中、行事の話をされても困るだろう。
だが学級委員が『中学最後くらい…。』と言い出すと少しずつ何をやりたいか考え始めた。

 「…ということで、うちのクラスは演劇をやります。」
 「演目は何にするの?」
 「今年は受験が控えてるから、完全オリジナルは無しの方向で考えてる。」

ある日のホームルームの時間にみんなで何をやるか考えていた。
話し合いの中で何故か英語劇をやることになった。それも世界的に有名な王子様の話だ。

 「練習については演劇部を中心に役についてる人はよろしくね。」
 「裏方も準備があるからお願いな!」

クラスで少ない時間を使って少しずつ準備を始めた。
ちなみに夏香はその他大勢の役のほか、美術部だったということで背景を頼まれていた。
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