君に映る景色

□第4章 春の嵐
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文化祭から時間が過ぎ3学期となった。
夏香はいよいよ受験本番を迎えた。

 「夏香さ、私立は本当にあの学校を受けるの?」
 「…うん。一応、美術科あるし。そういう美咲は?」
 「併願は厳しいから、単願受験にした…。」
 「そっか。」

二人はお互い希望校に合格出来るように本番まで追い込みをかけていた中での話だ。
もしかしたら別々の道に行くかもしれないが、今は目の前に迫った受験を頑張るだけだ。

 (明日は私立の入試だ。きっと大丈夫…。)

私立の入試は、試験問題は楽々と解けていった。不安視していた面接もどうにかなったと夏香は感じていた。

 ―幸村君へ
秋の文化祭に来てくれてありがとう。私は年が明けたら受験が本格化するよ。
私立だけでなく県立も受験予定なんだ。
受験が終わったら逢いたいなって思ってるよ。

 村田夏香より―


夏香は私立高校の受験が終わったタイミングで幸村に手紙を出した。
最近、どうしても自分のことで精いっぱいの為、幸村には手紙を出すことしかできないでいた。だが、それでもどこかで繋がっている気がしていた。

 ―村田さんへ
手紙ありがとう。そろそろ受験シーズンだね。
風邪ひかないように試験勉強、頑張ってね。
今の時季が一番しんどい時だろうけど、健闘を祈ってるよ。
落ち着いたら、また逢おう!

 幸村精市より―


夏香はこの幸村の手紙が心の支えとなっていた。
そのことに気づくのはもう少し先の話。
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