porque me gusta

□第4章 思い出ぽろぽろ
1ページ/3ページ

夏海は第一志望だった大栄学園高校へと進学した。
中学で始めた陸上競技をこの高校でも続けたいと思っていたから…。

 「君、この高校に入学予定の子?」
 「はい!あの、あなたは…?春休み中に何度か逢ってますよね?」
 「俺もこの高校の新入生や。名前は土屋淳。」
 「そうなんだね。私は吉野夏海。よろしくね。」

高校の正門の近くで声を変えられた夏海は土屋と簡単な挨拶をした。
実は夏海も土屋も春休み中に高校の部活動の練習に参加させてもらっていたため、お互いなんとなく顔を知っていたのだ。

 「この高校ってスポーツクラスは2クラスあるみたいだね。」
 「そうみたいやな。もし同じクラスやったらよろしくな。」
 「あっ!クラス割りの紙が貼ってある。」
 「ほんまや。えっと俺は6組や。吉野さんは?」
 「吉野は…あった!同じ6組みたい。」

土屋は『自分の名前を面白い探し方をする子だ。』と思いながら笑顔を夏海に向けていた。
きっとこの時の時点で彼は夏海に興味を持ったのかもしれない。
二人は教室へと向かい自分の席に着いた。

 「おはようさん!今日から1年、このクラスの担任です。」
 「先生、何部の顧問?」
 「朝から元気やないですか!」

夏海のクラスの担任は実は彼女の所属する陸上部の顧問だったのだ。そのことに夏海はすぐ気づいていた。
入学式も無事に終わり、夏海達1年生はオリエンテーションなどを終え、無事に高校生活をスタートさせた。
気づけばもう1年生も終わろうとしていた。
次へ
前の章へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ