君ヲ想フ春
□第2章 体育祭
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2学期に入り、四天宝寺中学校では体育祭が近づいていた。
夏香は体育委員になっていたので今日のホームルームの時間を使いたいと先生にお願いしていたのだ。
クラスのみんなで出る種目決めをしていた。
「今日のホームルームの時間は体育祭の参加種目を決めるぞ!」
「みんな、とりあえず話を聴いて!」
夏香は男子の体育委員と共にクラスメイトに体育祭の種目決めの話を始めた。
なかなか落ち着かないでいた。
「村田さん、体育祭の種目って何があるん?」
「へ?あぁ、えっと…。」
騒がしい教室を一気に静かにさせたのは白石の一言だった。
夏香は『白石君、さすがだな…。』と思いながら黒板に種目を書き出して説明を始めた。
最初こそ騒がしくしていたクラスメイトも夏香達体育委員の話を真剣に聴いていた。
「じゃあ、これでみんないいね?」
「問題がなければ俺ら体育委員で記入して提出しとくで。」
夏香は選手決め終了後、黒板に書かれた名前を委員会で貰った用紙に記入していった。
男子の委員が面倒くさがってやらなかったため、仕方なく彼女がやることになったのだ。
(全く…。なんであいつ、記入を人任せにするん。)
夏香は内心、男子の委員にイラついていたが彼女がやるしかなかった。
その様子を白石は心配そうに見ていた。少しのあいだ様子を見ている白石の視線を夏香は全く気付いていなかった。