novel

□深夜のお風呂( 微裏)
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まったく…藤紗(とうしゃ)の奴め…
わしを殺す気か、こんな時間まで起こしておいて…
あぁ、眠いが風呂に入らんとやっぱり落ち着かん。一浴びしてこないと…


昨日から一睡ももらえず暇さえもらえずに雨怨は優秀すぎて困る側近、藤紗に今まで溜まってしまっていた仕事をほっといていたらこてんぱんに怒鳴られ今までずっと付添で一時の休みももらえず溜まっていた仕事を終わらせた。
そして気付けば午前二時を廻っていた。
長い廊下は当たり前に静けさを成し一人風呂場へと向かう。もう睡魔で足が上手く進行方向に進まない。

「ん…」

やっと着いた風呂場も静を保っていた。
一人で風呂場に入るのは何時ぶりだろうか…?と思い詰めてみる。いつもは「総長〜お背中お流しします!」とか人の前でどっちが長くまで潜り続けてられるかとかくだらない事をして笑わせてくれる部下達が居て、賑やかな風呂場だがこう静かで誰も居ない風呂も悪くないと一人でうんうん言いながら体を洗い始めた。

ガタッ

といきなり大きな音を立てて扉が開いた音がして雨怨は驚いて即座に振り返る。と、

「あ?」

と扉を開けた本人の第一声が威嚇のような低い男の声で。雨怨はその一言だけで誰かが分かったように大きく溜息を吐いた。
扉を開けた張本人はニヤニヤしながら雨怨を小馬鹿にしたように鼻をならすと少しトーンを上げて

「あれー?総長?こんな時間に風呂ですかぁ〜?」

と羽織りものを半脱ぎ状態で話しかけると総長はまた大きく溜息を吐くと

「…軌殺…(今、一番会いたくない奴が来た…)」

残念そうな声でその名を呼ぶと、軌殺は眉間に皺を寄せて不機嫌そうな顔になり

「何だその顔」

とまたトーンが下がり明らか機嫌悪くなりましたオーラを醸し出す。そんな事はまったく気にしない雨怨は手で追い払うように振って

「その通り風呂タイムだ。出てけ」

とさりげなくもう一つの手でタオルを被る。この寒い季節だから扉が開いたままだと冷気が入ってとても寒い。雨怨はどーでもいいから扉を閉めてもらいたかった

「馬鹿が。わざわざおめぇに会いに風呂来たんじゃねーよ。俺は風呂入りに来たの」

と馬鹿にするような言い方で雨怨に言うと「…相変わらず減らず口…」とボソッと吐いた

軌殺は着物まま雨怨の元へと近づき何やらよからぬ事を考えているようで
ニヤニヤしながら雨怨を見つめると、
流石に幼馴染と言えども恥ずかしくなって思わず声が上がる

「何じゃ?」

「いや?ただちょっといい事思いついてね」

「……………」

これはまずいと察した雨怨は少し座ったまま後ろへのけぞるが効果なし。
逆に軌殺は近づいて来て危うい事になってしまった。
軌殺がいきなり雨怨の手首を掴むとそのまま引き寄せようとするので
雨怨は出来る全ての力を使って逃れようとするが
力の差では雨怨でも敵わないことは昔からよく知っていた。
でも体の柔軟性を使って何とかこんな近距離でも逃れ続けて2、3分…
からかい、遊んでいた軌殺も流石に苛々してきたのか思いっきり雨怨を上に飛ばすと
そのまま落ちてきた相棒をお姫様抱っこで受け止め裏のある満面の笑みを向ける。
雨怨はじたばたして逃れようと必死にもがくが
今度こそ本気で捕まってしまったようだ。
軌殺はそのまま今まで雨怨が座っていた物に
座ると
濡れたまま暴れる雨怨を自分の膝の上に乗せ後ろから抱きかかえるような形になり耳元で雨怨に

「久々に俺が体洗ってやるよ?総長」

とやけに良い声で囁くので雨怨は溜まらず「いやっ!」と目を瞑る。
がすぐに目を開き何やら妙な感じがしてその場を見ると、
本当にいつの間に泡立てたのか分からない泡で足を撫でるように洗っていたのだ。
もう赤面どころじゃなくなって雨怨は軌殺の頭を叩き続けるが
まったく効果なしで素手洗っているその手は滑らかに太ももまで来ると、
「ぁっ…」と自分でも聞こえないくらいの小さな声を発すると、
さっきまで軌殺の頭を叩いていた手は次第に力を失い落ちていく。
軌殺は笑みを浮かべるとそのまま太ももから流れに沿って
普段は触れぬ場所へと手を滑りこませると

「あれ?今日ってお前女なの?」

とハテナマークを浮かべながらその場所を撫で続け雨怨に問うが雨怨はそれどころではない。
もうガクガク状態で声が出ないようにするのに必死だった。
その状態を見た軌殺は更に楽しそうに笑みを浮かべ
赤面中の愛しい相棒の耳を軽く舐めると「んぁ、」と女らしい声が漏れ
雨怨は溜まらず「もっ…!ほんとやめっろ!」と声を押し殺し奮発するが、
軌殺には逆効果のようで更に欲をそそるのか首に噛み付いた。
その瞬間もうだめだと言わんばかりに雨怨が体を押し付けてくるので軌殺は

「そうやって最初から素直に返事すりゃあいいんだよ」

と言って目尻に涙を溜めた相棒を抱き上げ優しいキスをするとそのまま風呂に浸かった。








end.

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終わりです。こんなとこで終わりです。
この先は想像していただry
風呂とか言ってますが銭湯みたいにかなり広いです。
そして軌殺は何故雨怨の団にいるのかとw
まぁ遊びに来て帰るのが面倒になったから泊まったみたいな設定で(笑)←
紹介文に書くの忘れてましたが総長は中性です。
なので時々女になったりします。主体は男です。
とにかく相棒大好きな軌殺が書きたくて…
でもただの変態になりました…。反省反省。
 

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