TRIP×DE×DROP

□痛み×選択×放置
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薄気味悪い廃墟ビルが続いたゴミ平原から出て一転。
近代的な建物が密集する大きな街に入った。

全くの別世界。


どっちとも。



極端過ぎるよ…と脱力。





肩から降ろされ、「ついておいで」と先を行きだしたヒソカに、一瞬、街なんだから逃げようかと思ったけど、逃げ切れる自信がないから…、離れまいと付いていこうと小走りしたが。



ズキッ!


「痛ッ!」




裸足だったのを思い出す。

うずくまって見れば、足の裏や足首までが汚れて真っ黒で、擦りむいたり、皮が捲れたりして血が流れてる。

パジャマも薄汚れてるし、なんか匂いが…。







ヒソカは振り向かずに歩いて行く。

私の怪我なんて知らんふり。




ゴミの中を歩くよりは全然いいけど。
せっかくなら最後まで担いでくれても…!
……いや、やっぱこんな街中でどっちか取るなら、裸足を取るわ。と思考を止めた。






ペッタン、

「っ!」



ペッタン、


「っ〜!」


痛いのを我慢してヒソカの姿を見失うまいとついて行く。


この時点で律儀にヒソカを追わず、横の路地に逃げればいいとも過ぎったけど。





なんか、助けられた感じも僅かにあるし…。

もしかしたら、だけど。




恩を仇で返すには、なんか出来ない。







汚れて薄いパジャマと怪我した裸足の格好の女の子って…なんか、目立つだろうに、路行く人たちは知らんふりをしてくれてる。

…いや、無関心なのか。










また結構な長い距離を歩いて、1つの立派な建物に入ってくヒソカ。




「あわわ!」


置いていかれる!!




高級ホテルのようだった。

ロビーには品のいい従業員が優雅にお仕事をしている。






「お帰りなさいませ。ヒソカ様」



「ああ、後ろの彼女はボクの連れだから



「かしこまいりました」






エレベーターのドアの前に立ったヒソカが目に入り、やっと追いついたと思った。

足の裏が結構、痛い。

血が出てるから綺麗な床を汚しちゃう!






「すみません!すみません!」


謝りながらホテルマンの前を通り、ヒソカの斜め後ろに立った。

ひーはーと、息が荒い。









「歩くの遅いね



「〜っ!怪我してるもん!」


涙目で睨んだ。




「そうなんだ?気がつかなくてごめんね




心がこもってなーい!!
なに、その目!
ニヤッって!ニヤッってした!!











エレベーターに乗り込み、中でヒソカがカードを差し込んだらドアが閉まり、最上階の数字のランプが点いた。

動き出す。








「?…それって、カードキーなの?
ルームキーだけじゃないんだ?」


壁に寄りかかり、痛みをなんとか軽減しようと努力する。






「そうだよ



「へぇ…」


最近のホテルって、スゴいハイテクなんだ〜


感心した。







…ふと、エレベーターの機械の操作盤のとこにある変な模様の羅列に気づいた。





「何の記号だろ…」


ただ、ポツリと呟いただけだったのだが。









「もしかして、文字が読めないのかな



ピキーン!と固まった。









「ちょ!文字くらい読めるわよ…!
もう!当たり前じゃない!
赤ちゃんじゃあるまいし!
誰だって学校行ってるんだから!
なんでそんな意地悪言うかな!」


バカにされた!と思った。
からかわれたと。

軽く受け流せばよかったけど、今の私は足が痛くて理性がピークだった。











「"学校"て、なんだい?」





ヒソカのさらなる追い討ちとなる質問に、ぐわっ!と歯をむいた!





「学校は学校でしょ!
小学校!中学校!高校!
意地悪言うのも大概にして!私足痛いの!」


喚いたら、キョトンとしたヒソカの表情が目に入る。










「…んー…さっぱりわからないな


チーン♪







最上階の部屋に着きました!


 

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