TRIP×DE×DROP
□危機×廃棄?×戦慄
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ヒソカと再会して、私はふわふわした浮ついた気持ちで天空闘技場で過ごしてた。
本当に、浮ついてた。
私の次の試合は二週間後。
ヒソカが買ってくれたチケットで、ヒソカの試合を観戦したり、ヒソカと食事に行き、デートしたり。
私は、ヒソカしか目に入っていなかった。
そんな私が、200階目前の試合前日。
朝食をヒソカの部屋で共にとっていると、ヒソカが話題を、「ルーキーで噂になってる娘がいるね」と口にした。
「娘?女の子なの?」
「おや知らなかったのかい?けっこう話題だよ
初顔で1階から一気に50階に上がって、僅か1ヶ月で100階間近の90階だって
確実に上がって来てる子だよ」
きっと美味しそうな子かもと、ヒソカは口角を上げた上唇をペロリと舐め嗤った。
それに対して私は、焦りが生まれる。
ヒソカの興味が、私からその子に移る可能性を。
私が、棄てられる可能性を。
「今日、午後からの彼女の試合のチケットを買っておいたんだ
観るだろ?」
ピッ!とヒソカの指に、2枚の観戦チケットが。
私は、頷くしかなかった。