no match!!
□ペースメーカーは誰?
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「よっ!なまえ」
『あ、ベル先輩。』
ペースメーカーは誰?
資料室に向かう途中で、ベル先輩に会った。
「ん?また、資料室行くのか?」
『はい』
私は、ヴァリアー幹部と言われているが、実際に任務に行ったりとかはしない。
私の主な仕事は、報告書をスクアーロ隊長まで届けたり(時々、ボスに直接届ける事も)、敵ファミリーの情報を資料室で探したりすること。
なので、きっとベル先輩は私が資料室に行くのだと思ったのだろう。
『明日、ベル先輩とフランが倒しに行くファミリーの情報を探してきます!』
「あー…。そーいや明日はカエルと任務か…」
『…ケンカしないでくださいね』
「ししっ。それ、無理だから♪」
ニッと口角を上げて笑うベル先輩。
…まぁ、分かりきっていたことだけどね。
「ところでさ、なまえ。カエルとは、どこまでいってんの?」
『……………は?』
今、ベル先輩、何て言った?
「だから、カエルとはどこまで『うわぁぁあっっ!!い、いや、リピートしなくて結構ですーーー!』
私は、恥ずかしくてベル先輩の言葉に割って入る。
『…あ、あのですね…』
「その様子じゃ、キス止まりってとこか」
『……そ、そうですけどっ…?それが、何か?』
「いーや?ただ、生意気なカエルも、意外とオクテだったのかと思ってさ」
そう言って、「ししっ♪」と、楽しそうに笑う、先輩。
「つーかお前も、もっと女らしい格好すりゃいーじゃん?」
『…と言われましても、アジト内は隊服でいろと言われてるので』
「へー。誰に?」
『フランです』
「……」
私の言葉のあと、しばらく黙ってしまったベル先輩。
『…あの、私、何か変な事、言いましたか?』
「あのクソガエル、ちゃっかりしてんじゃねーか」
『…?』
なんか、納得してるみたいだけど、何のことだろう?
「…いー事思いついた」
『……』
ニヤッとする先輩を見て、嫌な予感しかしない私は、
『で、では仕事をしてきます〜』
そう言い残し、去ろうとしたが、
「王子無視して行くとか、いい度胸じゃん。いーから、耳貸しな」
『……はい』
この王子様が不機嫌になると恐ろしいので、素直に言うことを聞くことにした。