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□一緒に行こう?
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「…」
PCのベッドにユネは横たわっていた
背中には包帯が巻かれていて
点滴が何本もされていた
水色の青年が傍に座っていた
「おい、こいつ起きたか?」
緑色の青年が部屋に入ってきて尋ねる
「全然起きない...」
「クソっ...」
ユネは昨日PCに運ばれた後からずっと今まで眠ったままだった
水色の青年はずっとユネに寄り添ったまま何も食べずにいた
「ヌマクロー、お前も何か食えよ
せめて何か飲め的な」
オレンジ色の青年は水色の青年、もといヌマクローにサイコソーダを渡す
ヌマクローはありがとう、と言って受け取ったが口をつけようとはしなかった
「ワカシャモの言うとおりだ
...お前昨日から何も食ってないだろ?」
オレンジ色の青年、ワカシャモが頷く
「そうだけど、何か食べなきゃいけないって分かってても食欲なくてさ...」
ジュプトルだってそうでしょ、と緑色の青年に問いかける
緑色の青年、もといジュプトルは
まぁな、と呟いていた
「早く、起きないかな」
「うん...」
ポツリとワカシャモが呟く
人間をこんなに気にした事がなかった
それに、人間にこんなにいい感情を持ったことなど3人には全くと言っていい程なかった
自分達を助けてくれ、1匹のポケモンとして接して笑顔を見せてくれる人間がすごく新鮮だった
殺そうとすれば今すぐにも殺せるのに3人にはできなかった
寧ろそんな事をしようとも思わなかった
かつてあの暗く冷たい檻に入れられているときには
人間全員を殺したいと思っていたのに
この子だけは絶対に傷つけたくないといつの間にか思っていた
寧ろ自分達の手で守りたいとも思っていた
「早く、起きろよッ、馬鹿が」
ジュプトルの呟きは病室の中に消えた
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