太陽を取り戻せ!
□第二夜 Bar Heaven's Melody
1ページ/2ページ
「はいどうぞ。相変わらず忙しいんだね。」
天音から差し出された酒を一気に流し込むとカウンターにコンという音が響いた。
仕事の後は東の人間が住む外国人居留地区にある天音のバーに行くのがお決まりだ。
「そりゃ今回も俺の大活躍でさ」
「お前は仕事してなかっただろが。」
いつものやり取りに天音はくすりと笑って棚にあったグラスを拭き始めた。
「ところで今日は何してたの?さっきまで店開いてなかったよね。」
「さっすがサボリさん。実はね、Aランクの影が出たからそれを追ってたの。」
「Aランク?」
Aランクは影の中でもトップランクのはずだ。捕まえるのだってそう簡単にはいかない。
「店と影狩りと両方やってて大変なのになんでそんなの引き受けたのさ。」
「断れなかったの。だってルナ様じきじきのご依頼よ。」
「ルナ様だって!?ちょっとうらやましすぎるよそれは!なんでオレも入れてくれなかったのよ?」
夏目と天音、二人だけでどんどん会話が進んでいって俺は一人取り残されたような気分だった。