コードネーム鬼茶
□最終話 バッドエンドは大嫌い(下)
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どうしていいかわからず”コッカ”を見つめる。赤の”コッカ”はやめておけ、と言っていた。
なぜだと私は問いかけた。
死人を蘇らせるのはこの世の禁忌。破れば世界が終わりを告げると彼らは教えてくれた。
青の”コッカ”もこの願いを快く思っていない気がした。でも姫にしかそれはわからない。
ウチは赤の”コッカ”の言葉はわかっても青いほうはなんとなくしか理解できないみたいやった。
初めて”コッカ”の意思を聞けた。そして初めて自分が鬼巫女なんだと実感した。なぜ今といいたかったけど。
「やめておいたほうがいいみたいですよ。死人を蘇らせるなんてことしたら世界が破滅するって。」
「それでもいい。世界がどうなろうと関係ない。我が妻さえいれば・・・さあ早くしないと本当に撃ちますよ。3、2、1・・・」
念のために発した言葉も無意味だった。それほどまでに叶えたい願いなのか。ウチにあの人の悲しみなんて一生わかるわけない。わかりたくもない。
彼がゼロという前にウチは自然と待ったをかけていた。どうしても止めないわけにはいかなかった。
みんなが今、どんな思いでいるかはわからない。気配や音から想像するしかない。
自分が下した決断は正しかったのか?それとも間違ってたのか?みんなにとってそれはいい判断やった?悪いものやった?
でもそれでこそ灰色。ウチは灰色の世界の住人や。ならば灰色は灰色らしく生きることにするわ。
「わかった。姫を撃たないでください。」
「ということは・・・」
ウチの覚悟は決まった。ごめん、自然にそうつぶやいたけど誰に対してなのかはわからんかった。
「私の願いは、この人の奥さんをよみがえ「組長さんの呪縛を解いてあげて!」えっ?」
突然の姫の叫び声であたりはざわざわとしていたしウチも一瞬何が起こったかわからなかった。でも事がつかめた時にはまずいと思った。あの人はあっという間に引き金を引いていたのだ。