コードネーム鬼茶
□第3話 さよなら卒業式
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コードネーム鬼茶(キティ) 第3話 さよなら卒業式
「ちいさな」
「ちいさな」
「鳥を〜」
3月、春の夜の寒さにやられたウチは案の定ソファに寝転がっている。
で、自然と歌いだしたんけどなぜかルパンとはもってるし。
「それ何の歌?」
「翼を抱いて。今、学校でずーっと練習してんねん。」
「なんか2人が歌歌うのってめずらしいなぁ。」
今学校は卒業式の練習ばっかり。受験も終わって2人は暇人ライフを満喫中。
「いや、鬼茶は受験の時からずーっと寝てるような気がするけど。」
気にしない気にしない!
「で、そっちは2人して何見てるんや?」
「不動産の広告。なんか物件が多すぎて決められんわ〜」
そっか、2人も引越しの準備で大変なんやな〜
「ところで引越しいつ?」
「3月19日、だからあせってんねんや。」
3月19日それって・・・
「卒業式の日やわ。」
なんやって〜!
☆ ☆
「起きや〜!」
時刻ただいま7:20。
集団登校の集合時間8:00。
眠い目をこすりながら大急ぎで支度をする。(と言ってみるが本当はぼーっとしてる。)
朝のテレビが8:00を告げている。
「いかん、遅刻する〜!」
行ってきますと言いながら走る走る。
「はぁ〜」
いざ集合場所のマンションに着くとそこはもぬけの殻。
3日連続、また、遅刻である。
「昨日アジトでしゃべりすぎた・・・」
とぼとぼと1人で歩くのが日課になりつつある。