コードネーム鬼茶

□最終話 バッドエンドは大嫌い(下)
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「おい”コッカ”は!?」

ウチが振り返って叫ぶと返ってきたのは掠れた声。

「もう遅い・・・偽者のやつ以外全部セットしてもうた。」

目線を下にやるとあのくぼみにそれぞれがしっかりと収まっている。そして一番思い出深い、最初に手に入れたやつさえも欠片がきれいに集められて元通りになっていた。

そして彼らは最後の1つを今か今かと待っているような気がした。

「お二人にはあの星の真ん中へと行ってもらいましょうか。」

右手に握られている真っ黒な拳銃がおもちゃなんていう冗談があるはずもなく、そしてそれは姫のこめかみをしっかりと狙っている。

もうちょっと早く気づいていたら防げたのに。でも今「靴」で横移動しても無駄か・・・

この人は私が下唇を噛む時間さえくれないようだ。うちらはゆっくりと星の中へ入っていった。

「おっ俺の舞が・・・舞がぁ!!」

「騒がないでください。なに、すぐに終わります。」

圭人は今までに見たことのないくらいヒステリックな顔をしていたが、その銃口が一瞬圭人に向けられると地面に倒れこんだ。

「大丈夫、撃っていません。でも次はどうでしょう?さあ、地面に両手をついて。」

「くっそ!」

抵抗するすべなんてない。ウチらは言われるがまま氷のようにつめたい地面に並んで手を突いた。
何もできないことの悔しさと恐怖が胸を支配していて呼吸ができないように感じる。

「さあ、竜のおでましです。」

紳士は胸ポケットから本物の”コッカ”を取り出すと、コトリとその場に置いた。

そして、すべてが白になった。
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