コードネーム鬼茶

□第1話 パニック!ハロウィーン
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ここからはいよいよ本腰を入れて仕事しないと。

『キョウ』はパレードもこなさないといけないし、香は単刀直入に聞きすぎるからやはりここはオレら兄弟ががんばろう。

「ねぇ、キョウは出演者の人にあいさつするんだろ?」

「そうだけど、それが?」

「付いていっていい?」

ここは完璧なアウェー。やはりキョウにサポートしてもらわないとね。

「う〜ん。いいけど絶対失礼なことしないよな?」

「なんで俺に向かって言ってんだ?」

それはね、香が一番危険人物だからだよ・・・

「絶対しない。香がなんかやりそうになったら全力で抑えるから。」

香は何するかわかんないから本当に怖いんだよな。

「ほんとに頼むからな!」

その後、まずオレらが案内されたのは楽屋と称された広間。(普段は会議室らしい。)

<セブンスター  日比谷 利也様   栗本 洋介様>

コンコン

「失礼します。」

振り返った2人の男の人はオレらを見るなり吸っていたタバコをもみ消した。

「おはようございます。今日はよろしくお願いします。」

早速調査開始。

「よろしく。あれ、そちらの人たちは?」

この人もイントネーションがなんか変。また関西の人かな?

「オレらは黄昏探偵団です。金剛社長から仕事依頼されてきました。」

ここは隠しても無駄だし、ちゃんと名乗らないとな。

「探偵?」

この人はオレらのこと知らないんだ。

「ほら、朝テレビでやってたやろ?今注目の若手探偵やって。」

もう一人のほうの人は知っていたみたい。

「あ〜そうやった。よろしくな、探偵さん。僕は日比谷 利也。」

「で、俺は栗本 洋介。セブンスターっていうお笑いコンビやねん。」

そういえば、さっき吸ってたたばこの銘柄もその名前だったな。

頭の中の名簿録にさっそくインプット。

「団長の・・・睦月 香だ。頭の良さは全国一位!」

あれ?香のさっきまでの元気はどこ?でも、頭の良さはちゃっかりアピールしてるし。

「『キョウ』です。」

「団員の蔭山 彰良です。」

「双子の弟の新季です。」

おれたちが双子だっていうことでいろいろ聞かれたけど、答えるのはもう慣れている。
質問に答える順番さえ決まっているくらい。

「小学生の全国模試一位ってのはすごいなあ。俺ら二人はいっつも学校でベベやってんで〜」

「そういえば、お会いしたのは2回目ですよね。」

「・・・えっ、あっ、うん、あんときはたしかドラマで共演したやんね。」

最近はいろんな番組に出すぎてもうわからないよ。

「でも、あんまいっしょの場面なかった。」

3人が話している間に観察してわかったことを。

日比谷さんは細身で茶髪。目鼻立ちは決してはっきりしているとはいえないけど、なかなかかっこいい。

栗本さんは日比谷さんに比べると少し太め。これでも、昔サッカーの県代表だったそうだ。2人ともたばこ臭いな。

それと、気になることが1つ。

香、様子が変だ。あの2人と目を合わせないし、その2人も香をみたとたんに挙動不審になっていた。

絶対初対面じゃない。この3人には何かある。

そんなことを考えていると、

「おい、行くぞ。出演者はまだいるんだろ。」

さっきまでずっとだんまりだった香が口を開いた。気がつくともう『キョウ』たちのおしゃべりはすでに終わっていた。

「あっ、うん。」

そろそろ行こう。

このとき、日比谷さんが何かいったような気がしたけどまっ、いいか。

失礼しました〜

バタン

・・・・・香元気そうやったな。

・・・・・おう。



さて、この調子で次行こう!

<狩谷 飛鳥様>

コンコン

「はい。」

「失礼します。」

ガチャ

「お〜『キョウ』君、今日はよろしくね。」

少し日焼けした健康肌で髪を背中まで伸ばしたその人の名前は狩谷 飛鳥。この人はテレビで見たことあるな。たしか女優・・・

「よろしくお願いします。こっちは僕の仲間です。」

早速前に進み出る。が、オレらを何かがさえぎった。

「オレが黄昏探偵団団長の睦月 香。オレって全国模試一位なんだぜ!」

ちょっ、ちょっと、いきなりそれのあいさつは失礼じゃ・・・

「よろしく。狩谷 飛鳥です。君が団長さんか、頼りにしてるよ。」

よかった〜、香のあのあいさつでひく人多いからな。でもあとでハリセンで叩いとこっ。

「団員の蔭山 彰良、新季です。オレたち双子なんです。」

オレらはいつも通りのあいさつ。

「へぇー、声のタイミングも合ってるなんてすごいね。」

そうかな?いつも同じだからそんなにすごいという感覚はないけど。

「でもさ、パレードで使う宝石を怪盗が狙ってるとなるとたいへんね。」

「狩谷さんに危害が加わらないといいのですが・・・。」

「大丈夫!オレが守るし!!」

香、なにいってんだ!?

「では、失礼します。」

「またな!」

バタン

・・・あれが黄昏探偵団か。


香をハリセンで叩いたところで次!!

<坂野 弘樹様>

コンコン

ガチャ

「失礼します。」

「いらっしゃい。」

床に座ってストレッチをしている人がいた。しっかし、ものすごく柔らかい!
足は180度以上開いてるし、顔は床にしっかりとついている。

「やわらかっ!」

香の声を聞いて彼がこっちに顔を向ける。

「今日はよろしくね。」

彼が見せた歯がものすごく白かった。

「よろしくお願いします。」

『キョウ』の歯も十分白いけどね。

「オレ、黄昏探偵団団長の睦月 香。頭の良さは全国一位!」
だから、その挨拶やめなって。

「『キョウ』です。」

「蔭山 彰良・新季です。」

どうやら坂野さん(でいいのかな?)はオレらのことを知らなかったらしく、説明することになった。

「探偵か、僕も昔は憧れたね。でも、今回はルパンと鬼茶のことばかりが話題になってるよね。」

そうか、本来はパレードのことで人が集まっていないといけないのにルパン達ばかりが話題になってる。
盛り上げつつ警護か。それができたらいいな。

その時香が突拍子もないことを言い出した。

「そういえば、オレ達もパレードに出演しませんかって言われてたんだった。」

え、そうなの?

「で、返事は?」

「いや、みんなに相談してから答えようと思ってたんだけど、忘れてた。」

そんなこと早く言って!!

「すまんすまん。」

でも、それならばほかの人たちはどう思うだろ?

「どっちみち社長の判断わけだし、それには逆らえないさ。」

まぁ、そだね・・・

「一通りあいさつが終わったら聞いてみようか。」

そんなわけで、坂野さんの部屋を後にした。

失礼しました〜

バタン

・・・香君、ずいぶん明るくなったね。


さぁ、いよいよ最後!!

<Mr Likald.K>

「え、英語!?」

なんか最後の人はものすごく大変なことになりそう(汗)

コンコン

「Come here〜」

「失礼します。」

ガチャ

「へ、へろー」

香、それってもしかして・・・

「英語であいさつして悪いか?」

どこが英語なんだ・・・?

「コンニチハ、ボクハLikald。ヨロシクネ。」

あれ、片言だけどしゃべれるの?

「リカルドさんはおじいさんが日本人なんだ。」

「ツマリ、クォーターネ。」

よかった〜あの人が英語しかしゃべれなったらオレ、フリーズするところだった。←(香、心の声)

よかったね、香。

「『キョウ』クン、ボクコノヒトタチシッテルネ。タシカ、タンテイデショウ?」

でも〜、しゃべれたらしゃべれたでいいけど片言で頭が痛い・・・。

「そうですよ、で、僕がここを案内してたんですよ。」

キョウが黄昏探偵団の団員だってことは内緒だからね。

「ソコマデハシラナカッタ。」

『キョウ』が仲間の一人だっていうことは秘密だもんね。

「とにかく自己紹介!オレ、リーダーの睦月 香。頭の良さは全国一位!」

「団員の蔭山 彰良・新季です。」

オレらの二重奏(ドュエット)にますます驚いてみせる。やっぱり外国の人はリアクションが大きいねぇ。

「キミラ、twins?」

すばやく脳内変換をして、うなずいた。

「なぁなぁ、”とぅいんず”って何?」

「”とぅいんず”じゃなくてtwins!双子って意味。」

まったく、香それでも中三の全国レベルと並ぶくらい頭のいい小学生の全国模試一位か?

って思ったけど、よくよく考えたら香はそのことを隠してるから当たり前か。やっぱり、心得はこんなところでも守るんだなあ。

「あっ、そうだ。オレ達金剛さんにパレードに出ないかって言われてるんですけど、迷惑かけそうで迷ってるんですよ。」

いきなり会って相談とは、どれだけなれなれしいんだ。。。

「ソウイエバ、サッキ衣装サンが”オトコノコ4ニンヲミナカッタカ”ッテキイテキタンダケド、キミラノコトデハ?」

それって、モシカシテ・・・・

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