コードネーム鬼茶

□第3話 さよなら卒業式
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ウチ、鬼茶。おにちゃじゃなくてキティ。

職業 怪盗あるいは卒業間近の小学6年生。

歳 12歳

今一番の悩み 遅刻癖が直らないこと。

「おはよ〜」

「おはようさん。」

みんなとあいさつをしながら6年4組と書かれた教室へ入ってランドセルをドカッと机に下ろす。

「今日も昼から2時間ぶっとおしで練習やて。」

連続かぁ・・・ずーっと立ってたら貧血になりそうやわ。

先週なんて倒れた人いてたし。

そんなちょっと憂鬱な気分に浸っている時やった。

ピンポンパンポン

え、こんな朝っぱらに放送っておかしいな。

「みなさん、おはようございます。」

何や?この声。いろんな人の声が混じってるというか・・・

「機械で作った合成音声やな。」

そうそう、合成音声。

っって、ミッチー、あんた2組やのになんでこっち来てんの!?

「いや、ちょっと教科書を借りようと。」

そんなやりとりをしているうちにも声はどんどんしゃべり続ける。

「私は怪盗鬼茶です。」

怪盗鬼茶、という名前に教室はざわめき、というかわめきまくり。

「こ、これ、あんたがやったん?」

「まままさか。」

確かにそうだよな。でも、みんなが騒ぎすぎて肝心な所が聞こえへん。

「しゃ〜ないなぁ〜」

ウチはおもいっきり息を吸い込むといつもよりものすごい低い声で

「うるさいっ!!」

しーんととたんに静まる教室。

「さすが不敵の怪盗鬼茶やね。」

「シーっ、でもこれで大事なところが聞けるわ。な、ルパン6世さん。」

偽者の声を聞きながら本物が気楽な会話をしているというちょっと不思議な光景。

「さて、私は皆さんの卒業式を邪魔いたします。」

・・・はっ!?

「なんなんや、コイツ、何が目的なんや・・・」

「それまで楽しみに待っていてください。ではみなさん、卒業式の日にお会いしましょう。」

ブチッ
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