コードネーム鬼茶
□第5話 真夏の夜の恋
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「ところで、2人は親になんて言ってきたん?」
ああ、仕事の口実?
「ウチはセブンスターと遊んでくるって言ったわ。」
「お、けっこう大胆やな。」
ずっと前から友達やって親には言ってたしね。
何で知り合ったかって聞かれたときは困ったけど・・・
「お前は?」
「俺は友達の家に泊まるって。」
まあ、それがセオリーかも。
「話し変わるけど鬼茶って勇気あるよな。」
え、なんで?どっちかというとビビリやけど。(ジェットコースターが大嫌いやねん)
「いやこいつの車の助手席に乗るなんてすごいねんで。」
?ウチは景色が良く見えるからここに座っただけよ。
「ふふふ、後でわかるで。」
なんか今はとむぎの背後に黒いオーラが見えた気がしたんやけど;
「ところでさあ、今日はどこ行くの?詳しいこと言わんとただはい仕事行ってくださいっていう風にするの悪い癖やで。」
なんか情報屋組に指令を受けてるみたいな感じでいややわ。
「まあまあ、しゃーないやん。2人の情報の仕入れ先は秘密っていう約束やん。だからここに”コッカ”があるっていうことしか伝えられないんやで。」
それに2人の情報が間違ったことなんて無いやろ?とルパンは付け加えた。
「まあ、確かにそうやな。変に怒ってごめんなあ。」
信頼してるからこそのスタイルなんやもんな。
「ええよ、そうやって怒られるのも無理ないし。ただ1つだけ言えるのはなあ・・・」
「芸能界って、いろんな世界につながってるんやでぇ。」
おいおいお兄さん達、怖いよ!
「ま、そんなことはええねん。今回は場所はわかってるっちゃわかってんねん。ただ兵庫ってことしかわかってないねん。」
何それ!?
「だから車で探すんや。」
ええーっ!
だがこの時ウチの頭に閃光が走った。
「チャイナタウンや・・・」
「へ?それがどうしたん?」
ウチはさっき見た不思議な夢のことを説明した。
「うーん、それって幻やないの?」
「でも、リアルすぎて・・・」
「でもなんでチャイナタウンなん?」
「今思い出したんやけど、その人が着てた服が漢服やねん。」
漢服とは中国漢民族の民族衣装のこと。
清王朝の時に満州族の衣服と髪型を強要した剃髪易服が出された後、次第に消滅していったんや。
「でもそんなにリアルなら、予知夢とか?」
確かに、信じがたいけどむしろそっちのほうがなんかしっくり来るんよな。
「でもチャイナタウンか。有名な所だと神戸かな?」
「確かに”コッカ”の情報の条件にもぴったり当てはまってるしなぁ。」
神戸か。ウチらはずっとキタの北に住んでるからあんまりよく知らんわ。
あっ、キタっていうのは<梅田>の別名のことやで。
「ここはいっちょ、鬼茶に賭けますか。」
「ま、もしはずれてたら焼肉おごってもらうだけやしな。」
ちょっとなんやねん?ガキに払わせんといてよ!
そんなこんなで一同神戸に向かうのだった。