コードネーム鬼茶
□第6話 猫柳館の大冒険!! 〜怪盗ご一行様ご案内〜
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「今日集まってもらったのは言うまでもない、さいごの”コッカ”についてや。」
その言葉でウチも真剣な顔つきになる。そうか、この話をするためにみんなを集めたんか。
「そんな話、俺たち聞いてないで。」
ルパンが当然のように声を上げた。ウチら2人には何も聞かされていなかったのだ。
勝手に話を進められていいはずがない。とくに外部の人間をここに連れてくるなんて!
「それにこいつらをここにつれて来るなんて。これ以上この話に関わったら」
ウチの言葉をなにかがさえぎった。てか顔に何かがはりついた。
何これ!?ガムみたいにベトベトする。しかもとれない!どうがんばったって粘着力が強すぎる。
「だから2人にはいわんかってん。反対されると思ったしな。」
わかったからこれとってください!
二人はポケットからなにやら怪しい薬を取り出してそこにふきかけた。するとさっきまではまったく取れなかったのにかんたんにペロリとはがれる。
「これ俺たちの試作品。この薬を使わないと取れへんねん。」
そんなものを投げてくるなっ!
もう少しでいつものような事になりそうだったが、それを見ていた周りの人が咳払いをしたので再び静かになった。
「俺たちだってこれ以上関わらせたくないとは思ったよ。でもな、みんなが必要やねん。」
みんなが、必要?
「そう、なんでかというと・・・・・・最後の”コッカ”は黒猫組が持っているから。」
最後の”コッカ”が黒猫組に・・・
みんなの反応は、驚いたり、やっぱりという顔をするかのどちらかやった。
「まあこれは最初のほうから大方予想はついてたんやけどなあ、調べたらやっぱりそうらしいわ。相手は最強の闇組織や。みんなでまとめてかからんと無理や。」
だからこそ関わらないほうが!
「でもな、キラとハーレーはこれでも元黒猫組や。アジトについて知ってる。特にあそこにはロシアンブルーがいてるんや。」
ハーレーはその言葉に苦笑いを見せた。本当はあの夏の夜を思い出しているんだとと思う。
まあ元カノが闇組織に入ってるなんて考えられないよなあ。
「舞ちゃんは姫だから連れて行かないとあかん。まあ、あの黒猫組にその力が通用するかはわからんけど。」
姫はその言葉に顔を明るくした。たぶんルパンと一緒に行動できるのが嬉しいのだろう。ルパンは困惑顔。
「俺たちだって行く。今までの行為は情報屋の範囲を超えてる。でも、カリヤさんの宝石をこのまま黙ってみているわけにはいかないんや。」
「それに、黒猫組の情報が手に入る大チャンスや。そう言う意味でもぜひ行きたいしな。」
じゃあ、じゃあウチらはなんで必要なん?
これまで延々としゃべり続けていた2人が一瞬きょとんとした顔をしたがすぐに少年のような笑顔になった。
「2人は怪盗だから。これが理由やで。」
・・・わかりました。もう聞きません。
はあ、とウチは息を吐いた。
「昨日の敵は今日の友ってか。ついこの間まではこいつらに狙われてたのになあ。」
2人を見ているといつもそう思う。特にキラ。この間まではものすごく憎まれてたのに、今となっては
「鬼茶〜」
って寄ってくるし。
ほんとどうなるかわからんねえ。
「そんなことよりもや。2人は元黒猫組やし、アジトの場所を知ってるんやろぉ?」
はとむぎがキラとハーレーの方を指差して言った。こいつ、ほんわかしてるけどこういうしっかりしたところもあるんやな・・・
「知ってるけど、利用されていた俺たちは別の場所に案内されてたかも知れんよ。」
それでもいい。それでも”コッカ”は取り戻さないとあかんのや。
ウチをはじめ、みんなは同じ思いのようだった。
「それはどこや?」
プーアールが静かにたずねる。
「うん、あの家はふかーい森の奥にあるんやけどなあ・・・・・・」