コードネーム鬼茶

□最終話 バッドエンドは大嫌い(下)
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「まぶしっ!」

ウチと姫は同時に叫んで思わず目をつぶった。レーザーのような光がそれぞれの”コッカ”から発されていたからだった。
6つの赤と青の光線はくるくると動き、それが黒い壁に反射する。

そしてそれらがだんだんとひとつになっていって、紫色のはかない光になった。

ついにそれが形作り始めて、みんなが息を呑む音が後ろから聞こえてくる。

「ホログラムか・・・?」

「しかし大昔の技術でそこまでできるなんて・・・」

そのすぐ後にウチらも、信じられないような光景を目の当たりにした。

<私を呼んだのは、誰だ。>

竜はウチらの頭上から厳かな声で話し始める。すべてが信じられないくらい、はっきりとしていた。

「ついに、ついに私の願いが叶う。鬼茶、あなたの祖父に邪魔をされてから今までずっとこの時を待ってたんです。」

耳をそばだてると彼の息遣いは荒く、声も少し上ずっている。

<今回はえらく大人数だな。前のときは2人しかいなかったのだが。>

「そんなことはどうでもいい、早く私の願いを!」

今までの物腰の柔らかさとは打って変わって腹の底から恐怖を沸き起こさせる太い声を発した。もうみんなびびっていたに違いない。

<舞姫と鬼巫女の願いしか叶えられない掟だ。>

だけど竜はそれをさらりとかわす。

「そうか・・・なら、彼女達に私の願いを叶えてもらえばいい。」

ウチの耳に紳士はささやく。その吐息さえもウチの心を凍らせる。

「我が妻をもう一度この手に。」

ウチの体はびくりと跳ね上がった。こいつ、竜の力で死者蘇生するつもりか・・・!
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