告白予行練習

□告白
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「いきなりでごめん!ずっと前から好きでした!」



放課後、誰もいない教室で半ば叫ぶように言ったのは私。
いきなりそう言われたのは帰る準備でリュックに教科書を詰めていたラビ。

静まり返る教室。
文化祭準備で廊下や窓の外から聞こえる声も少しの雑音にすぎず、ドキドキうるさい心臓の音がラビに聞こえそうで…。
咳払いを一つする。


赤い顔を隠すように俯かせた顔を上げて、伺うようにラビの顔を見てみると、目をぱちくりさせ口をあんぐり開けてフリーズしていた。

その顔が面白おかしくて吹き出すと、なんで笑うんさって顔で訴えてきたけど今の私には怖くない。



「告白予行練習でしたー」



リュックを背負ってラビに笑顔を向ける。
うまく笑えてるかわからないけど

ラビはそんな私を不機嫌な顔で睨んで、リュックを背負いながら教室を出ようとドアに向かって歩きだした。


「ねぇねぇ、可愛かった?ドキッとしちゃった?」


ニヤニヤしてラビに聞くも、依然無言の状態で無視。


ブーブーと文句を言うと、急にドアの前でラビは立ち止まった。から、その後ろを歩いていた私は必然的にぶつかるわけで。


「ったー!急に止まんないでよっ」

鼻を強打した。

鼻血!…は出てなくてよかった!
でも絶対赤くなってるよ、これ!


鼻を抑えてラビを睨もうと顔を上げると、私を見るラビの顔が切ないような悲しいような、なんとも言えないような顔をしていたから言葉に詰まる。


…そんな顔で見ないでよ。


「あ、あの…ラビ?えっと…、さっきのは…!」



言葉を探そうと目を左右に行き来させていたら頭に温もりが。

それがラビの手だと気付いたときにはもう遅く、わしゃわしゃと強引に撫でられた。


髪が崩れるじゃないか!

そうラビに抗議しようと腕を掴んだとき、



「本気になるぜ?」



その声が聞こえた瞬間に顔が暑くなるのがわかった。
反射的に顔を上げると、嘘をつくときのような笑顔だったから、あぁ嘘か…と柄にもなくショックを受けたので、ラビの足を思いっきり踏んでやりました。


いってぇ!!


後ろから声が聞こえるけど無視だね。


私のドキドキ返せ!


あ、お詫びで帰りにアイス奢ってもらおう。
なんのアイスにしよっかなー?


約3時間後に食べれるアイスに思いを馳せていたら足音が聞こえた。

振り返ろうとした瞬間、後ろから伸びてきた腕が首に回って捕まる。

そしてあろうことはラビはそのまま歩き出した。



「よくも足を踏んでくれたさっ」
「あそこに足があったから悪いんだよ」
「あれは悪意がありましたよ愛花さん」
「さぁー?てかはーなーせー!」
「このまま部室連れてってやるんだから文句言うなー」
「この態勢意外とキツイんだよバカ!」
「知らねー。てかまだ鼻赤くね?」
「誰のせいだと思ってんの!?」
「さぁ?鼻血出てなくてよかったさ。出てたら女子力丸つぶれ。あ、元々愛花は女子力ないか」
「もう怒った。絶対奢ってもらうから」



こんなことでも幸せを感じるいつもの放課後

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