時を超えて-book-
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「柚葉…っ!」
「たく、ま、ぁ…!」
ぎゅう。力強く抱きしめられる。
こっちも抱きしめる。
「大丈夫だったか?怪我、ないか?怖かったな、大丈夫、な」
「ん…っ」
「…、反ノ塚に、礼、言え?」
悟ったらしく、気付いたらしい。
連が、私を安心させてくれてたことを。
「っ連、」
「ん?」
「あいが、と…」
「…おー」
いつのまにか、いつもの、ひらひらな一反木綿になっていた連にお礼。
「なんか、連、落ち着く、」
「…かわいーねぇ」
「かわいくないよ」
ぷるるる、と、連から電話の音。
「どこから出したんだ…」
「さすがお兄様」
「え?カルタ帰ってきた?」
「え」
私たち、3人が固まった瞬間だった。
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