時を超えて-book-
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久しぶりに制服に身を包む。
と言っても、春休みがあったから着なかっただけだけれど。
「凛々蝶ちゃんの制服姿…メニアック!」
そんな野ばらちゃんの声が聞こえるラウンジに、拓真と共に向かう。
「きゃー!柚葉ちゃんもメニアック!そのタイツから透ける白い肌!」
「ののの野ばらちゃん鼻血…!」
「柚葉さん…おはようございます」
「おはよう、ちよちゃん。1年生かー…懐かしい…」
「柚葉ちゃんはもう1年で卒業しちゃうものね…制服姿が見れなくなるだなんて…」
「ふふ、そこなの?あ、そうだ、ちよちゃん。ドレス買った?」
「そうそう、明日の懇親会の」
「ああ、ぬかりはない」
「懇親会かぁ…あったなぁ、そんなの」
「ん、2年前?」
「お兄様は、高校生でいらしたのですね」
「ぷふ、ねぇ!見えないわよね!絶対ニッカポッカか…取り立て屋よね!」
「あぁ…」
「え、柚葉ちゃんまでそんなこと言っちゃう?」
「連、ごめんね。すっごく安易に想像できた」
「…」
「お兄様は大人びて見えますね」
「フォローありがとぉ」
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