時を超えて-book-

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再会は、突然のことでした。


夜、監視カメラを見てました。管理人室でね。

なんだかその日は、とてつもなく眠くて。

ぼーっと見てました。

ちよちゃんと、見覚えのない金髪が騒いでいます。

気になったけど眠かった。でも管理人として、騒がれて苦情がきたりしちゃだめだし、と行きました。


「…ん…ふぁ…夜です…騒がな、くださ……眠いの…、です…」

「ああ、柚葉さん、悪かったな」

「いいよー……」


そこに金髪はいなかった。見わたすと、男の人と、狸?


「……ん…?」

「ふふ、柚葉たんっ」

「………」

「柚葉、久しぶりだな!」

「………」

「柚葉さん…?」

「…………え」

「反応おそっ!」

「…っ、ゆ、夢…だ。だって、いきなり、」

「…柚葉」

「!」


低く囁かれた。
どきどきした。
1年ぶりだった。


「久しぶり」


ふふ、と笑いを含めた言い方は健在で、その話し方が大好きだった。


「残夏くん、ばんちゃん…1年ぶりで…」

「うん」

「まあ…わるかったな」

「連絡も、くれないで…」

「それは…柚葉が携帯変えたからだろ!つながらなかったんだよ!」

「あれ?言ってなかった…?」

「…」

「ごめん、なさい…」

「柚葉たんっ!」

「…?、わ」


ぎゅむう、と抱きしめられた。
最近は抱きしめられてばっかりだ。


「…寂しかった?」

「…寂しかった、」

「ごめんね、」

「もう、ずっと一緒?」

「それは渡狸次第かな〜」

「…ばんちゃん、」

「…?」

「かるちゃんのためにも残ってください」

「お、おま…っ」

「柚葉たん後でボクの部屋おいで〜」

「遮るなっ!」


「…夏目くんと柚葉さん、君たちの関係は…?」

「んー、ちよちゃん、それは、また明日にでも話す……ちょっと眠い…」

「後でボクの部屋くるんだよ?寝ちゃだめ、だからね♪」

「……ぅ…、」


しぱしぱと眠い目をこすり、私は顔を洗うことにした。



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