時を超えて-book-

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「柚葉…、」

「大丈夫、だよ」

「…、いらねーこと、思い出さなくていーぞ」


拓真に、ていっとデコピンされる。地味に痛い……


足鎖は、昔からのトラウマだ。

嫌いだ。嫌い、


「青鬼院に、悪気があったわけじゃねーんだから、嫌いにはなってやるなよ?」

「ううん、ならないよ。ごめんね、…嫌いなのは、あの、鎖」

「…」


ふわふわと、撫でてくれます。拓真も、連の次に落ち着く撫で方をしてくれます。


「…ありがとー…」


そのまま、寝てしまったらしい。


**


「んぅ……」

「あ、起きた〜?」

「……ぅ?」

「残夏お兄さんだよ〜☆」

「…拓真は…?」

「さっき起きたみたいで、部屋戻ったよ〜」

「残夏くんは、なんで…?」

「いつのまにかいなかった柚葉たんが心配できたのー」

「…ん…」

「…なんか変だよ?柚葉たん、なんかあった…?」


わたしのことは、視えていないはずなのに、残夏くんは鋭い。


「んー…あったといえばあった…、…眠い…」

「…知りたいな〜」

「…ぅー…」

「今日は寝よっか、」

「…」


こくりと頷くと、残夏くんはベッドに入り込んできました。


「…?」

「ふふー、一緒に寝ようね〜♪」

「…ん」


ぎゅうと抱きついてやる。
抱き返してくれて、

とても、あたたかかった。



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