時を超えて-book-
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「柚葉…、」
「大丈夫、だよ」
「…、いらねーこと、思い出さなくていーぞ」
拓真に、ていっとデコピンされる。地味に痛い……
足鎖は、昔からのトラウマだ。
嫌いだ。嫌い、
「青鬼院に、悪気があったわけじゃねーんだから、嫌いにはなってやるなよ?」
「ううん、ならないよ。ごめんね、…嫌いなのは、あの、鎖」
「…」
ふわふわと、撫でてくれます。拓真も、連の次に落ち着く撫で方をしてくれます。
「…ありがとー…」
そのまま、寝てしまったらしい。
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「んぅ……」
「あ、起きた〜?」
「……ぅ?」
「残夏お兄さんだよ〜☆」
「…拓真は…?」
「さっき起きたみたいで、部屋戻ったよ〜」
「残夏くんは、なんで…?」
「いつのまにかいなかった柚葉たんが心配できたのー」
「…ん…」
「…なんか変だよ?柚葉たん、なんかあった…?」
わたしのことは、視えていないはずなのに、残夏くんは鋭い。
「んー…あったといえばあった…、…眠い…」
「…知りたいな〜」
「…ぅー…」
「今日は寝よっか、」
「…」
こくりと頷くと、残夏くんはベッドに入り込んできました。
「…?」
「ふふー、一緒に寝ようね〜♪」
「…ん」
ぎゅうと抱きついてやる。
抱き返してくれて、
とても、あたたかかった。
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