時を超えて-book-

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「ん……」


暗い部屋で、久しぶりに寝れたのは、隣に残夏くんがいてくれたからだろう。


ぎゅう、


あれ?感覚が、ない…?


「残夏、く…?」


シーン、静かだ。

一気に怖さが襲ってきて、


「残夏、く、残夏くん…っ」


静か、


「残夏くん…っ」


どこ、


「柚葉たんっ…?」

「残夏く…、っ」

「どうしたの、」

「…怖かった…、いない、の」

「、怖い…?」

「暗い部屋、いや、ぁ…っ」

「!」


安心して泣きだした私に、彼は目を開いて、眉を下げた。
ぎゅう、と抱きしめてくれる。


「…っぅー…」

「暗いの、怖い?」

「…うんっ…」

「大丈夫、大丈夫だよ、」

「……んー…」

「……あれ?寝ちゃった?」


また、寝てしまった。


「柚葉!」

「しー、拓たん、今柚葉たん寝たの〜」

「…そ、よかった…、取り乱してる姿、悟って心配で…残夏いてくれてよかった」

「…柚葉たん、暗い部屋嫌って言ってたんだけど、なんかあったの?」

「…昔、な」

「…」

「柚葉が起きたら、言うわ」



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