時を超えて-book-
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目を覚ますと、残夏くんと拓真がいた。
「大丈夫か?」
「ん…」
曖昧に返事すると、拓真は私の頭を撫でた。
「…やっぱさ、言わね?柚葉の過去」
「…へ、?」
動揺した。
残夏くんは私を心配そうに見つめる。
「残夏、お前のこと心配してくれてたんだ。ずっと手ぇ握ってさ、」
ふと自分の手を見る。重なる大きな手。
「、な?」
「…、それなら…どうせ言うなら、連にも、」
自分のことは話したくない。
面倒だからだ。
でも、言うなら、連にも、
いっぱい気遣ってくれた連には言わないと、
だけど、
「…んー、面倒…」
「おいコラお前久しぶりのシリアスな展開をぶち壊すな…」
「だって…」
長くなるし。疲れるよ。
「大丈夫、長くても聞くからね」
「残夏くん…、」
「面倒なんて言わないの〜」
「う、ん」
まあ、話さないとこの物語も終わらないし、話しましょう。
とりあえず、朝食をとりにラウンジに行った。
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