時を超えて-book-
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ラウンジに入ると、いつもの通りうどんをすする一反木綿。
くいくいと、その黒を引っ張る。
「おはよー、どした?」
「…あの…この前、暗いとこ、嫌って、騒いだの」
「うん?」
「理由、話すから、聞いてほしい……話せと、拓真に言われまして…」
「おう、聞かせてもらうわ」
「何の話?」
「柚葉の過去」
「お姉さんも聞いてていいかしら…?」
野ばらちゃんは首を傾げる。
「うん」
にこ、と笑って返事をした。
「…、話します」
ばんちゃんもかるちゃんも、ちよちゃんも双熾も聞いている様子だ。
こっちを見ていた。
私は、ゆっくり話し始めた。
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