時を超えて-book-
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13歳で、この、妖館に来ました。
拓真は、私を守ってくれる、と。
SSになってくれました。
暗くて静かな、狭い部屋は嫌いです。
あの頃を思い出してしまうから。
雷羅家には、それっきり行っていません。
“人間”に、拒絶されるのが怖いから、です。
と、話すと、連が私を撫でてくれました。
「…話してくれて、ありがとな」
「…んー……眠い」
「ちょ、シリアスな展開ぶち壊すなって…さっきも言っただろ…」
と拓真は苦笑い。
「“人間が怖い”かぁ…」
「いつ裏切られるか分からないから、最初から安易に信じちゃだめだよーって話…」
「…」
「…寝てくるー…」
「あ、おう…俺も行くわ」
「んー……あ、」
「?」
皆が首を傾げる。
「皆のことは、信じていますから…大好き、です」
少しの、微笑みを残して。
「…大人だねー…」
「考えること、反ノ塚より断然大人よね…」
「それ俺に失礼じゃね?」
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