時を超えて-book-
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「柚葉、よく言ったな」
「眠気に勝ったよ」
「…最近、寝すぎじゃね?」
「んぅー…」
「無気力か……残夏に呆れられるぞー…」
「……ぅ、」
「それには微かに反応すんのな」
「だって……、大好き、だし」
「ふ、」
「何故、笑うぅ………」
無気力が、あんなに話すもんじゃない、疲れた。
まだ朝なのに、疲労……。
寝てもいいですか。
「ん、寝ろ」
「…拓真、」
「ん?」
「手、ぎゅってしてて…?」
「…おう」
拓真は、寝るまで、手を繋いでいてくれた。
心地のよい体温は、私の手を引いてくれた あの頃を思い出させた。
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