時を超えて-book-
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暇だ……。
だからといって、何をしたいわけでもない。
とりあえず、抱きついてスリスリしてくる残夏くんを構おう。
「残夏くん…?」
「ん〜」
「んー…っ、」
くんくんと匂いを嗅ぎだす彼が、ウサギというか 犬に見えてきてしまいました。
「好き〜」
「んー…」
「あ、こら、寝ない〜」
「あったかくて……、ねえ、うさぎさん」
「ん〜?」
「…暇なの…?」
「どうかな〜っ?」
「…ばんちゃんのSS、ですよね?」
「そうだよ☆」
「私に構ってて、いいんですか」
「え〜、だって、ほら」
と、残夏くんが指さした先は、
「拓真さん!俺、強くなりたいんです!」
「おー、ファイト〜」
「強くなれる極意を…!」
「え」
ばんちゃんは拓真を慕っている。
そういえば拓真、昔は暴れてたらしいしなあ。
「だから、大丈夫なんだよ〜☆」
「ほー……」
平和だなあ。
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