時を超えて-book-
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その言葉に私たちは顔を見合わせた。
「デート…?」
デート…
「そうだねー☆ デート、しよっか〜」
「…どこにいくの…?」
首を傾げる。
「ん〜、」
「あまり、デートとか、しないから……よくわからなくて、」
持ち歩いている辞書で調べる。
和英辞典かなあ…
「デート…って、なに…?」
「うーん、デートっていうのは、好き同士の2人がお出かけすることだよ〜」
いつもの紙芝居を出して説明する残夏くん。
手を繋ぐウサギさん。
「…たのしい…?」
「うん♪」
「…2人?」
「そうだよ〜」
「……す、る…」
「あ、好き同士ってとこは突っ込まないのな」
「…?、残夏くん、すきだから、」
辞書を持ち歩いていても、わからないことは、わからない。
机に突っ伏す。
「キャパ超えたな」
「うー…、わからない…」
「まあ、とにかく、デートしよ☆」
「…する」
よくわからないけど、今日は残夏くんと おでかけです。
用意できたらしく、残夏くんは私の部屋のドアをノックした。
「用意できたよ〜」
「んー…」
そっとドアを開ける。
いつものウサミミ残夏くんはいなかった。
「…、」
「柚葉〜?固まっちゃってるよ〜」
「…」
「ふふ、顔だけじゃなくて、出ておいで」
「うん、」
出ると、残夏くんは目を開いた。
「…外、出る…?」
「ちょっと待って、」
ぎゅう、ちゅう。
「手、繋いでようね〜」
「ぅ…、」
なんだかなあ、
「(可愛い格好しちゃって…捕まえておかないと、柚葉、ふわふわ飛んでいきそーだなぁ…)」
「(いつもと違う残夏くん、何回みても、かっこいい…)」
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