時を超えて-book-

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ごく普通に、普通の人がする、デートってやつ。
まだ、あまりわからないけど、好き同士が おでかけすること。

簡単、そう思ってたけど。

残夏くんは、いちいち、私をどきどきさせる。

私だって、されてばかりじゃない。

どきどき、させたい。

時間的にもうデートも終わり。

帰り道。


「残、夏くんっ」

「なぁに〜?」

「ここ、こっち、」

「?」


残夏くんを、私より二段下の階段に立たせる。
目線が合う高さ。
そう考えると、私、結構小さい…

ふわ、と彼の頬を両手で包んで、キスを落とす。

彼は、頬を赤に染め、驚いていた。


「…そういうのは言ってからじゃないと、心臓に悪いよ…」

「びっくり、した…?」

「うん、いいねぇ、階段の段差を使ってキス」

「ふふ、そうだねー…帰ろ、か」

「ん」


手を繋いで帰る。


「あ、柚葉たん」

「ん……、わぁ、」


残夏くんは、私の髪をかき分けた。
私の、耳に、触れる。


「…つけてくれてる」

「へ…?あ、ピアス」

「うん、そう」

「だって、残夏くんがくれた、大切なものだから」


銀色のピアスは、彼からもらった初めてのプレゼント。


「いつでも、一緒」

「(どうしよう、かわいい…やっぱり大好きだなぁ…)」

「?」

「ふふ、好きだなって思ったの〜♪ささ、帰ろ!」

「…私も、好き、」

「…うん、大好き」


嬉しそうに笑ってくれたから、デートは成功なんだなあって思った。

楽しかったから、また、2人で出かけたいな。



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